大人ニキビと軟膏

症状がまだあまり進行していない大人ニキビは、市販の軟膏でも改善させる事が出来ます。
しかし、いざドラッグストアに行くと、沢山の軟膏が並べられていて選びにくいでしょう。

そこで今回は、大人ニキビにオススメの市販の軟膏をご紹介します。
適当に軟膏を選んで悪化させてしまう事だけは避けてください。

各商品の特徴を把握して、自分の肌質や大人ニキビの症状に合ったものを選びましょう。
ステロイド剤の特徴や軟膏を選ぶ時の注意点にも触れますので、ぜひ参考にしてください。

大人ニキビランキング

大人ニキビにオススメする市販の軟膏は?

ここでは以下の3種類の、大人ニキビにオススメの軟膏をご紹介します。

  • テラコートリル
  • ペアアクネクリームW
  • オロナインH軟膏

市販の大人ニキビの軟膏には、どれも炎症を抑える成分やアクネ菌を撃退する成分が配合されています。
しかし、「どれも同じ」という解釈はしないでください。

脂性肌にマッチするものや乾燥肌に合うもの、白ニキビに効くもの、赤ニキビに効くものと色々あるのです。
それぞれの軟膏の特徴をご説明しますので、購入前に確認しておいてください。

テラコートリル

テラ・コートリル

テラコートリルは大人ニキビ専用の薬ではなく、湿疹などに用いる市販の軟膏です。
しかし、ステロイドと抗菌成分が配合されているため、大人ニキビに悩む人にもオススメ出来ます。

このテラコートリルは、脂性肌、普通肌など肌質を選ばず使用する事が出来る軟膏です。
数個程度の赤ニキビ、黄ニキビに効果を示します。

赤ニキビよりさらに炎症が進んだ黄ニキビまで進行した場合、本来なら皮膚科に行かなくてはなりません。
万が一黄ニキビが出来た場合、テラコートリルは応急処置として塗って後は早めに皮膚科を受診しましょう。

ペアアクネクリームW

ペアアクネクリームW

ペアアクネクリームWは、抗菌成分イブプロフェンピコノールと殺菌成分イソプロピルメチルフェノールが配合された市販の軟膏です。
白ニキビと黒ニキビに加え、炎症を起こした赤ニキビにも効果があります。

大人ニキビが軽いものなら3日程度、赤ニキビでも1週間程で改善します。
また、ペアアクネクリームWが合う肌質は脂性肌と普通肌です。

保湿成分が含まれているので、乾燥肌の人にもオススメ出来ます。
しかし、アルコールを含む軟膏であるため、肌が乾燥していると刺激を感じる恐れがあります。

もし違和感があったら無理に使い続けないでください。

オロナインH軟膏

オロナインH軟膏

切り傷や擦り傷の薬というイメージを持たれているオロナインですが、大人ニキビにも有効です。
オロナインH軟膏は、抗菌作用のあるクロルヘキシジングルコン酸塩液という成分が主成分になっています。

よって、アクネ菌を退治してくれるのです。
抗菌成分によって赤ニキビを改善させる効果がある他、白ニキビにも効果があります。

オロナインH軟膏には保湿作用のあるオリーブ油が含まれているので、乾燥で出来やすい白ニキビにもオススメ出来るのです。

その他のオススメの大人ニキビ用市販軟膏

その他のオススメの大人ニキビ用市販軟膏

上記の他にもオススメの市販の軟膏があります。
ここでご紹介するのは以下の5点です。

  • ドルマイシン軟膏
  • ビフナイトn
  • オトナ肌対策薬用アクネジェル
  • クレアラシル ニキビ治療薬クリーム
  • メンソレータム アクネス

「クレアラシル」「メンソレータム」といった名の知れた商品名が多めですが、メジャーな軟膏だからといってすべての大人ニキビにマッチするとは限りません。
各商品がどのような特徴のある軟膏なのかをここで知っておきましょう。

ドルマイシン軟膏

ドルマイシン軟膏

湿疹や虫刺され、あせもなど幅広い皮膚炎に有効な市販軟膏で、大人ニキビにもオススメ出来ます。
コリスチン硫酸塩、バシトラシンという2種類の抗生物質が含まれており、赤ニキビはもちろんそれが化膿した黄ニキビも改善するケースがあります。

ドルマイシン軟膏は化膿した皮膚炎に効果を示すので、化膿した大人ニキビにも効果が期待出来るのです。
炎症や化膿のみられる大人ニキビでなく、初期の大人ニキビである白ニキビにも有効でしょう。

ビフナイトn

ビフナイトの評判・口コミ

ビフナイトnは、他の軟膏と異なりすり込むのでなく「かぶせる」という事を意識して使ってください。
寝る前に大人ニキビ全体を覆うように軟膏をかぶせ、そのままの状態で就寝します。

しばらく経てば乾燥しますが、それまで軟膏が寝具に付かないよう注意してください。
ビフナイトnには、角質を柔らかくし毛穴の汚れを取り除く硫黄が含まれています。

加えてイソプロピルメチルフェノールがアクネ菌を殺菌し、抗炎症成分グリチルレチン酸が大人ニキビの腫れと赤みを改善させてくれるのです。
脂性肌と普通肌の人にオススメと言えます。

オトナ肌対策薬用アクネジェル

オトナ肌対策 薬用 アクネジェルミ

オトナ肌対策薬用アクネジェルは、クレアラシルのシリーズの1つです。
こちらの軟膏は、成人の肌に合わせて作られた市販薬なので、安心して大人ニキビに使えます。

このオトナ肌対策薬用アクネジェル効果が実感出来るのは、赤ニキビや黄ニキビです。
殺菌作用のあるイソプロピルメチルフェノールに加え、炎症を抑えるアラントイン、レゾルシンも配合されています。

レゾルシンには、角質を柔らかくする作用もあるので、大人ニキビのもととなる毛穴の詰まりが解消されるのです。
加えて、ターンオーバーを促進するビタミンCも含まれているので、ニキビ跡が残りにくくなります。

ビタミンCには美白効果やメラニン生成抑制効果もあるので、この軟膏は特に女性にオススメです。

クレアラシル ニキビ治療薬クリーム

クレアラシル

クレアラシル ニキビ治療薬クリームも、ニキビケア用品で有名なクレアラシルのシリーズの一つ。
角質軟化作用や殺菌作用を持つ硫黄に加え、抗炎症成分のグリチルリチン酸2カリウムと、肌のターンオーバーを促すトコフェロールが配合された市販薬です。

硫黄には、肌の乾燥を招くデメリットもあるため、乾燥肌の人にはオススメ出来ません。
また、大人ニキビ自体、肌の乾燥が原因の1つとして挙げられます。

そのため、この軟膏は大人ニキビより思春期ニキビに向いていると言えます。
しかし、狭い範囲に塗るのであれば、大人ニキビに使っても問題ありません。

メンソレータム アクネス

メンソレータム アクネス

メンソレータム アクネスにも硫黄が含まれているため、肌が乾燥する恐れがあります。
広範囲の使用は避けましょう。

硫黄でアクネ菌が殺菌され、レゾルシン、グリチルレチン酸で大人ニキビの炎症が緩和されます。
初期段階の白ニキビはもちろん、炎症が起きてしまった赤ニキビにも有効な軟膏です。

また、トコフェロール酢酸エステルというビタミンE誘導体が含まれているのも、この軟膏の特徴と言えます。
トコフェロール酢酸エステルには血行を促進し、大人ニキビの治りを早める働きがあるのです。

処方のみで手に入る大人ニキビの軟膏

処方のみで手に入る大人ニキビの軟膏

大人ニキビに使われる薬は、一般医薬品と医療医薬品の2つに分けられるのです。
一般医薬品は市販薬や家庭用医薬品といった、医師の処方なしで手に入る薬を指します。

効き目は医療医薬品より弱い傾向にありますが、副作用のリスクも低いのです。
一方、医療医薬品は医師に処方してもらわないと手に入れる事は出来ません。

医療医薬品は一般医薬品より効き目が強いですが、副作用のリスクが大きいのです。
しかし、医師が患者の症状に合わせて処方してくれる薬なので、安心して使う事が出来るでしょう。

ここでは、皮膚科で処方された場合のみ手に入る軟膏、つまり医療医薬品である薬を3つご紹介します。

  • ディフェリンゲル
  • ダラシンTゲル
  • ベピオゲル

いずれも効果が強いという点では大人ニキビにオススメの商品です。

ディフェリンゲル

ディフェリンゲルは、2008年に国内で処方出来るようになった軟膏です。
アダパレンというビタミンA誘導体が含まれています。

ビタミンAは肌を健康に保つ働きがあり、大人ニキビの治療に役立ちます。
ビタミンA誘導体を含む大人ニキビ治療薬は複数ありますが、このディフェリンゲルはその中で唯一保険が適用される軟膏です。

ディフェリンゲルには皮脂を抑える効果やピーリング効果があり、白ニキビから赤ニキビまで改善させる事が出来ます。
しかし一方で、ニキビ跡には効果がありません。

副作用として、肌の乾燥やピリピリした痛みが生じる事があります。
そのため、ディフェリンゲル使用中は念入りに保湿する事をオススメします。

ダラシンTゲル

ダラシンTゲルには、クリンダマイシンという抗生物質が含まれています。
クリンダマイシンがニキビの原因菌、アクネ菌や黄色ブドウ球菌を殺菌してくれるのです。

しかし、ダラシンTゲルへの耐性を持った菌もいるため、そういった菌が原因で大人ニキビが出来ている場合にはこの軟膏はオススメ出来ません。
また、ダラシンには軟膏感覚で使えるゲルタイプの他、ローションタイプがあります。

どちらも効き目に大きな違いはありませんが、ゲルタイプを使った方が使用後肌が乾燥しづらいのでオススメです。

ベピオゲル

ベピオゲルは、海外では一般的な大人ニキビ治療薬ですが、日本で処方出来るようになったのは2015年の事でした。
これは、ベピオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルの使用が2015年まで認可されなかったためです。

過酸化ベンゾイルはアクネ菌やブドウ球菌を退治し、肌のターンオーバーを促す働きを持ちます。
白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビを改善させてくれる軟膏です。

また、先述のダラシンTゲルにみられるような耐性菌発生のリスクが低いのも、ベピオゲルの特徴と言えます。
そのため、長期間使用しても効き目が弱まる事がほとんどないのです。

ステロイドの入った市販の軟膏は大人ニキビに効く?

ステロイドの入った市販の軟膏は大人ニキビに効く

大人ニキビの薬にはステロイドの入ったものも数多く存在します。
皮膚科で処方される薬だけでなく、市販の軟膏にもステロイドを含むものがあるのです。

例えば、これまでにご紹介した軟膏の中では、テラコートリルがステロイド剤として挙げられます。
ステロイド剤自体は人体に毒になるわけではなく、大人ニキビに効果を示します。

しかし、長期間の使用は副作用の心配があるので、安易に使うのはオススメ出来ません。
ここでは、ステロイド入りの軟膏を肌に塗る上で注意すべき点をご紹介します。

大人ニキビにステロイド剤を使うのはどんな時?

ステロイド剤は炎症を抑える働きを持つため、炎症が強い大人ニキビ、痛みを伴う大人ニキビに用いるのがオススメと言えます。
軟膏など外用薬のステロイド剤を用いるケースがほとんどです。

しかし、以下のようなタイプの大人ニキビの場合、ステロイド剤を注射する治療法がとられる事もあります。

  • 赤紫色になった大人ニキビ
  • 大人ニキビがケロイド状の跡になったもの

ステロイド入りの注射薬が用いられるのは、上記のような大人ニキビの炎症がかなり進行したケースです。

大人ニキビを根本的に治す薬ではない

皮膚科で処方される事もあるステロイド剤ですが、決して大人ニキビを根本的に治療するものではないのです。
そのため、ステロイド剤だけに頼る治し方はオススメしません。

大人ニキビは栄養の偏りや睡眠不足、内臓の不調などあらゆるものが原因として挙げられます。
そのため、それらの問題を解決しなければ根本的には治せないのです。

もちろん、洗顔や保湿といった日頃のスキンケアも怠らないでください。
皮膚科の薬にしても市販薬にしても、ステロイド入りの軟膏はあくまで応急処置的に使うものだという事を知っておきましょう。

長期使用は危険

ステロイド剤入りの軟膏は使用中副作用が現れる事があるので、長期間の使用はオススメ出来ません。
肌に以下のような異常がみられる場合があります。

  • 体毛が濃くなる
  • 皮膚が萎縮する
  • 皮膚が薄くなる
  • 皮膚の色素が薄くなる
  • 肌の赤みが増す
  • 紫斑が出来る
  • 皮膚の感染症にかかりやすくなる
  • 大人ニキビが悪化する

ステロイド剤には免疫力を下げる、皮膚の毛細血管を広げるなどの作用があります。
そのため、上記のような副作用が出るのです。

しかし、ステロイド剤自体は決して有害なものではないので、皮膚科で指示された用法、用量、使用期間を守れば副作用のリスクは下げられます。

大人ニキビに効く市販の軟膏の選び方

大人ニキビに効く市販の軟膏の選び方

市販の軟膏は皮膚科で出される薬よりも副作用のリスクが低いのですが、油断してはいけません。
自分の大人ニキビに合わないものや添加物が用いられている軟膏を塗ると、かえって大人ニキビを悪化させる事になるからです。

ここでは、大人ニキビに使う市販の軟膏の選び方についてご説明します。
「名前がよく知られているもの」「値段が安いもの」という点にこだわるのも悪い事ではありません。

しかし、自分の大人ニキビの症状に合う軟膏を見つけましょう。

自分の大人ニキビの段階に合う軟膏を選ぶ

赤ニキビ、黄ニキビといった炎症を起こした段階の大人ニキビには、以下のような抗炎症成分が入っている軟膏を選びましょう。

  • グリチルリチン酸ジカリウム
  • グリチルリチン酸ステアリル
  • イソプロピルメチルフェノール
  • サリチル酸
  • レゾルシン

一方で、炎症を起こしていない白ニキビ、黒ニキビにも使えるのは硫黄が含まれている市販薬です。
もちろん、炎症のある大人ニキビにもオススメ出来ます。

また、先ほどステロイド剤について触れましたが、ステロイド剤は早めに炎症を抑えたい時に、非ステロイド系の軟膏はじっくり治したい時に向いています。

男性の大人ニキビに良い薬

女性の大人ニキビも男性の大人ニキビも、毛穴詰まりやアクネ菌によって引き起こされるという点では同じです。
症状も男女で特に差はないので、性別によって市販薬を分ける必要性もあまりありません。

しかし、大人ニキビの多くの根本的な原因が肌の乾燥であるのに対し、男性の大人ニキビは皮脂の過剰分泌が原因になるケースがあります。
その場合、油分が多く含まれた軟膏を使うと悪化しやすくなるのです。

保湿性の高い軟膏には油分が多く配合されているので、男性には保湿作用のない市販薬がオススメでしょう。

市販の軟膏のデメリットを知る

皮膚科医の処方なしで手に入るのが市販薬のメリットです。
しかし、あくまで炎症を抑える効果しか得られないという事を知っておきましょう。

大人ニキビを根本的に治すため、また予防するためには規則正しい生活やスキンケアが欠かせません。
また、刺激の強い軟膏もある点も市販薬のデメリットです。

例えば、ヒドロコルチゾンというステロイド系の成分は、大人ニキビの炎症を鎮める効果が高いのですが、その分肌への刺激も強めです。
刺激の強い軟膏を使い続けるのは、大人ニキビの悪化に繋がるためオススメ出来ません。

添加物の入った軟膏は選ばない

市販の軟膏には、このような添加物が含まれている可能性があります。

  • バラペン
  • アルコール
  • 香料
  • タルク

これらは軟膏を長持ちさせたり、薬品のにおいを消すために使われているのですが、肌のバリア機能を壊したりホルモンバランスを乱すといった作用も持つのです。
肌に塗るだけの軟膏ですが、それに含まれる添加物の成分は身体の中に入ってきます。

また、皮膚経由で体内に入ってきた成分は、体内で解毒する事が出来ません。
肌や身体の健康のためには、添加物の少ない軟膏で大人ニキビを治しましょう。

大人ニキビと軟膏のまとめ

大人ニキビと軟膏のまとめ

市販の軟膏は、簡単に手に入れる事が出来ます。
しかし、自分の肌質や大人ニキビの症状に合ったものを使わないと、大人ニキビがひどくなる事があるのです。

自分に合う軟膏が分からないという人は、薬剤師さんに相談してみましょう。
また、軟膏で大人ニキビが改善してきたとしても、それだけに頼るのはオススメしません。

洗顔や保湿をきちんと行い、生活習慣を見直す事こそ大人ニキビ改善に必要なのです。
また、市販薬は皮膚科の薬より効果が弱めです。

大人ニキビの炎症がひどい場合や、市販の軟膏を塗り続けても良くならない場合は皮膚科に行きましょう。

大人ニキビランキング