口臭 歯石

歯磨きが不十分だと、歯に歯石が付着する事があります。
歯石は硬く、歯ブラシや糸ようじで取り除く事は非常に困難です。

だからと言って、歯石をそのまま放置するのは好ましくありません。
歯石は口臭の原因になったり、他の口内トラブルを起こしたりする事もあるからです。

今回は、そもそも歯石とはどういったものなのかを説明した上で、歯石の除去法や予防法などについて解説します。
歯石による口内トラブルはどんな人にとっても他人ごとではないので、口臭に悩まないためにもぜひ参考にしてください。

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口臭の原因になりやすい歯石とは?

歯石は歯垢(プラーク)が硬くなったものです。
まず、食べかすなどが原因で細菌が増殖すると歯垢が出来ます。

歯垢は、歯ブラシやデンタルフロスで落とす事が可能です。
しかし、オーラルケアが不十分だと、部分的に歯垢が残る事があります。

落とし切れなかった歯垢は、約2週間かけて唾液に含まれるカルシウムや細菌から出されるリン酸と合わさって石灰化して硬くなります。
そうして出来たのが歯石なのです。

細菌のかたまりである歯垢も口臭の原因になり得るのですが、歯石も同じく口臭に繋がる事があります。

歯石を放置すると口臭の原因になる

歯石を放置すると口臭の原因になる

歯石はリン酸カルシウムという硬い物質であり、強い力で歯磨きする事や沢山うがいをしても、除去するのはほぼ不可能です。
しかし、諦めて放っておいても良い事はありません。

歯石は細菌の増殖を促す事もあり、それにより口臭が強くなる恐れがあるのです。
歯垢も口臭を引き起こす事がありますが、歯石は歯垢とはまた異なる仕組みで口臭を発生させる事があります。

また、口臭だけでなく、歯のトラブルを招く事もあるのです。

歯垢が硬くなった歯石は口臭の原因になる

細菌のかたまりである歯垢は、それ自体が口臭の原因になり得ます。
一方、歯垢が変化した状態である歯石の場合、口臭を発生させる事はほぼありません。

ただし、歯石があると口臭が出やすくなる環境が出来てしまうのです。
歯に歯石が付着していると、その部分がデコボコになります。

この凹凸のある状態は、細菌が集まりやすい状態なのです。
細菌はニオイ物質であるガスを発生させる事があり、それが口臭に繋がります。

また、歯石によって発生しやすくなるのは口臭だけではありません。
歯石のある部分に細菌がたまると、虫歯や歯周病が引き起こされるケースもあるのです。

特に、歯周病は発症した場合患部が出血、化膿する可能性があり、そういった症状も口臭に繋がる事があります。
さらに、歯周病菌が体内をめぐると動脈硬化や心疾患にかかったり、糖尿病にかかっている人であれば、それが悪化したりするリスクも生じるのです。

歯石は時に、口臭だけでなく、こうした身体の異常に繋がる事もあるという事を知っておいてください。

口臭の原因になる歯石を除去する方法

口臭の原因になる歯石を除去する方法

口臭の原因になりやすいとは言え、歯石を自力で除去するのは難しいのです。
無理に取り除こうとせず、歯科医院で除去してもらいましょう。

歯科医院では、専用器具で歯石を除去してもらえる事があるのです。
まず歯の表面や歯周ポケットに付着した歯石を取り除く「スケーリング」という施術が行われます。

次に、「ルートプレーニング」という、歯周ポケットの奥にたまった歯石を取り除く施術が行われるのです。
このルートプレーニングの後は歯の根元が平らでなめらかな状態になり、それによって歯石や歯垢が再びたまるのを防げるという効果が期待出来ます。

歯石による口臭を予防する方法

歯石による口臭を予防する方法

歯に歯石が付着したままになっていると、やがてその周りに細菌が増殖し口臭などの問題に繋がる可能性があるのです。
1度歯石が出来てしまうと、一生懸命歯磨きをしても取り除くのが難しくなります。

ここでご紹介するのは、歯石の付着によって口臭が強くなるのを防ぐためのケア方法です。
自分で出来るオーラルケアと、歯科医院で受ける事の出来るオーラルケアに分けてご紹介します。

歯石による口臭を予防したいのであれば、歯垢が歯石になるのを防ぐ事を意識しましょう。

自分で出来る口臭ケア

口臭を招く歯石が出来ないようにするためには、日常的にオーラルケアを念入りに行う事が必要です。
具体的には、このようなケアを習慣にする事で、口内をより清潔な状態に出来る可能性が高まります。

・食後に歯を磨く
・1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシを使う
・殺菌作用のあるマウスウォッシュを使う
・入れ歯を使っている場合は毎日洗浄する
・鏡で口内をよく見る
・自分で口臭をチェックする

こうしたケアで普段取りにくかった場所の歯垢まで取り除けば、歯石やそれに伴う口臭が防げるという効果が期待出来るのです。
また、歯石を出来にくくする事だけが口臭予防ではありません。

口臭をより発生しにくくするには、このような事も実践しましょう。

  • 起床後は舌磨きで舌苔を取る
  • 十分な睡眠とバランスの良い食事を意識する
  • リラックスした状態を保つ

リラックスをするというのは、細菌の増殖を抑える唾液の分泌を促すためです。
緊張状態が続くと唾液が減少し、口臭が強まる恐れがあります。

そのため、深呼吸やヨガ、アロマなどで気持ちを落ち着かせる時間を作りましょう。

歯科医院で受けられる口臭ケア

自分1人でオーラルケアをする事に自信がない場合、歯科医院でケアやアドバイスを受けるのがオススメです。
歯科医院では、このような事をしてもらえる可能性があります。

・定期検診を受ける
・オーラルケアの指導を受ける
・クリーニングを受け歯石を除去してもらう
・虫歯や歯周病があったら治療してもらう

歯石がすでに出来てしまっている場合、それを除去するのは歯科医院でしか出来ません。
もし心配であれば、定期的にクリーニングをしてもらうと、歯石の蓄積が避けられる可能性が高いのです。

また、虫歯や歯周病が発生した場合も、歯科医院に行かないと適切なケアは受けられません。
口臭をより確実に予防するには、歯石だけでなくこうした口内トラブルにも対処しましょう。

口臭の原因となる歯石を除去するメリット

口臭の原因となる歯石を除去するメリット

歯科医院で歯石を除去してもらう事は、口内環境が改善されるというメリットに繋がるのです。
口臭は、口内の細菌がニオイ物質を発生させる事が原因となっているパターンが多い傾向にあります。

歯石を取り除いてもらう事で細菌がたまりにくくなり、それによって口臭を始めとする口内トラブルのリスクが軽減されるのです。
なお、虫歯や歯周病、または内臓疾患が口臭の根本的な原因になっている事もあります。

その場合はそれらの治療を優先しましょう。

歯石以外の口臭の原因

歯石以外の口臭の原因

口臭のタイプは、発生する原因によって大きく以下のように分かれます。

・起床時の口臭など誰にでも発生し得る生理的口臭
・飲食物やアルコール、タバコを原因とする口臭
・口内や体内の疾患を原因とする病的口臭
・ストレスによって唾液が減少して起こる口臭
・「口臭が出ている」と思い込んでいる状態である心理的口臭

口臭に悩む人は口の中で細菌が繁殖し、口内に異常をきたしている事が多いのです。
口内トラブルによる口臭は病的口臭に分類され、病的口臭のおよそ9割は舌苔の付着や歯周病、ひどい虫歯などが原因で発生する傾向にあります。

これらのような問題が発生した場合、治療を受けないと口臭を改善するのは難しいのです。
ちなみに、歯石がある事で細菌が増え発生する口臭も、この病的口臭に分類されます。

歯石などによる口臭をチェックする方法

歯石などによる口臭をチェックする方法

生活の中で自分の口臭に気付くのは難しいのですが、口臭の強さを自分で知る手段はあります。
こうしたチェック方法を試し、異変がないかどうか確かめてみましょう。

  • 舌が白い
  • 手をなめるとその部分が臭う
  • コップの中に息を吐くと臭う
  • 使用後のデンタルフロスや歯間ブラシが臭う

また、生活の中で以下のような事が思い当たる場合も、口臭が強くなっている恐れがあります。

・1日1回しか歯磨きをしない
・歯石を1年以上除去していない
・歯に食べ物が挟まりやすい
・口内がネバネバする
・歯茎が出血または化膿する
・虫歯を放置している
・口が渇く
・喫煙者である
・緊張する事が多い
・ストレスを感じる事が多い
・睡眠が十分にとれていない

口臭が出ているかどうか心配な人は、自分の生活でこのような問題があるかどうかをぜひチェックしてみてください。

口臭と歯石のまとめ

口臭と歯石のまとめ

毎日のオーラルケアで歯垢が取り切れていないと、石灰化し歯石となる事があります。
歯石は、自分では取る事がほぼ不可能ですが、放置していると細菌がより繁殖しやすくなり、口臭を引き起こす恐れがあるのです。

他にも、歯石は歯周病や虫歯の原因になる事があるので、もし歯石が出来た場合は歯科医院で除去してもらいましょう。
また、歯石そのものを作らないために、歯垢である内に歯ブラシやデンタルフロスで口内を清掃する事も有効な口臭対策です。

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