ロコイド軟膏は、かぶれなどの症状が出た時に皮膚科で処方される事がある軟膏です。
今回は、ロコイド軟膏の大人ニキビへの効果についてご説明します。
実際に、ロコイド軟膏で大人ニキビが治りやすくなるケースもあります。
しかし、適切な使い方をしないと悪化させてしまう恐れもあるのです。
ロコイド軟膏の副作用や、大人ニキビに塗る場合の正しい使い方についても触れていきます。
大人ニキビにロコイド軟膏を使う前に、こちらを読んで参考にしてください。
大人ニキビに使われるロコイド軟膏の効果と正しい使い方をご紹介
結論から申し上げますと、ロコイド軟膏を塗る事で大人ニキビを改善させるのは可能です。
しかし、効果のある大人ニキビは限られており、ロコイド軟膏が効かないニキビに塗っても治りません。
大人ニキビにも様々なタイプがあるので、ニキビが出来たからといって安易にロコイド軟膏で対処するのは避けてください。
まずは、ロコイド軟膏に馴染みのない人のために、薬の効能や副作用についてご説明します。
その後に、ロコイド軟膏の正しい使い方を知っていきましょう。
大人ニキビに使われるロコイド軟膏とは？
大人ニキビにも使われるロコイド軟膏は、ステロイド外用薬の1つです。
抗炎症作用があり、アトピー性皮膚炎や虫刺されに効きます。
この薬は、ステロイド外用薬の中では効き目が弱めの物です。
そのため、赤ちゃんの肌にも優しく、おむつかぶれ等にこのロコイド軟膏が使われる事もあります。
また、ロコイド軟膏は皮膚科での処方で手に入れる事が出来る薬で、ドラッグストアでは販売されていません。
実際成分の同じ軟膏がドラッグストアで買えるのですが、全く同じ配合の薬は市販されていないのです。
ロコイドクリームとの違い
ロコイドには、軟膏タイプとクリームタイプがあります。
軟膏タイプは白色ワセリンが主成分となっているため、肌を保護し保湿する効果が得られます。
刺激が弱いため、乾燥した肌や炎症を起こしている部分に用いる事が可能です。
一方、クリームタイプのロコイドは、水分と油分を混ぜ合わせて作られています。
伸びが良く軟膏のようなべたつきがないので塗りやすいのです。
また、肌馴染みが良いので、皮膚が厚い部分にも使う事が出来ます。
デメリットは刺激が強めだという点です。
よって、クリームタイプのロコイドは大人ニキビなど炎症を起こしている部分には使用できません。
ロコイド軟膏が効く大人ニキビ
大人ニキビの中でも、ロコイド軟膏が効果を現すのは赤ニキビです。
ロコイド軟膏は炎症を抑える働きを持つ薬なので、炎症を起こした赤ニキビやしこりニキビなら改善が期待出来ます。
しこりニキビの場合、肌表面は腫れませんが内部で炎症を起こしているのです。
一方、白ニキビや黒ニキビにロコイド軟膏を塗っても効果はほとんどありません。
これらはまだ炎症を起こしていない段階の大人ニキビです。
そのため、炎症を抑えるロコイド軟膏を付けても改善されず、場合によってはニキビの悪化に繋がります。
また、ニキビの跡の改善にもロコイド軟膏が効くケースがあります。
こちらも炎症を起こして赤くなったタイプであれば、ロコイド軟膏での改善が期待出来るのです。
ロコイド軟膏の副作用
効き目はあまり強くないロコイド軟膏ですが、0.3％の確率で副作用が出ます。
他のステロイド外用薬にも副作用があり、ロコイド軟膏も例外ではありません。
ちなみに、クリームタイプのロコイドの場合、副作用の出る確率は0.6％です。
ロコイド軟膏自体は赤ちゃんの肌にも使える程低刺激なので、副作用の出る確率は決して高くありません。
しかし、油断はしないでください。
ここではロコイド軟膏の副作用についてご説明します。
以下のような症状が現れたらすぐに大人ニキビへの使用を中止し、皮膚科医に相談しましょう。
大人ニキビの悪化
ロコイド軟膏が肌に優しいのは確かです。
しかし、かなり肌が敏感な人がロコイド軟膏を使うと、大人ニキビが悪化する事があります。
また、ステロイドの作用で肌の免疫力が低下する事も大人ニキビ悪化の一つです。
その他には、大人ニキビだと思っていたものが、実は毛嚢炎(もうのうえん)だったというケースもあります。
肌の乾燥、かゆみ、痛み
ロコイド軟膏などのステロイド剤には、皮膚の生成を抑える働きがあります。
そのため、皮膚が薄くなり、角質層の水分をキープするスペースも失われ乾燥状態に陥るのです。
乾燥でもかゆみは出ますが、ステロイドが合わず肌が炎症を起こす事でもかゆみ、痛みが生じます。
大人ニキビに使用していて肌に違和感があったら、すぐ皮膚科で別の薬に変えてもらいましょう。
肌の赤み
ステロイド外用薬を長期間使い続けると、毛細血管拡張症を起こす恐れがあるのです。
毛細血管拡張症になると、毛細血管が肌に浮き出るという症状が出ます。
これにより、肌が赤く見えるのです。
この副作用はロコイド軟膏を多量に塗る事で起こりやすくなりますので、大人ニキビに塗る量には注意をしましょう。
皮膚の萎縮
前述したように、ステロイドの作用で肌が乾燥する事がありますが、、その乾燥が続くと皮膚が萎縮してしまいます。
これは、肌にハリや潤いをもたらすセラミドが作られにくくなるからです。
皮膚の萎縮が進むとコラーゲンも減少していき、肌のなめらかさが失われてしまいます。
大人ニキビへのロコイド軟膏の使用を短期間に止めれば、この副作用は防げるでしょう。
大人ニキビができた時のロコイド軟膏の正しい使い方
ロコイド軟膏は使い方を誤ると大人ニキビを悪化させてしまいます。
しかし、正しい使い方さえ守れば、副作用を起こさず大人ニキビを改善させる事が出来るのです。
手をよく洗ってから軟膏を使うといった基本事項以外にも、注意しておく点がいくつかあります。
ロコイド軟膏が効くタイプの大人ニキビの場合も、以下の点に注意して軟膏を塗ってください。
また、それらに気を付けても尚、大人ニキビが良くならない場合はもう1度皮膚科を受診しましょう。
洗顔と化粧水の後にロコイド軟膏を塗る
患部を清潔にしてからロコイド軟膏を塗らないと、雑菌が繁殖し大人ニキビ悪化につながります。
顔にロコイド軟膏を塗る場合は、まず洗顔で肌の汚れを落とし、さらに化粧水を付けてから塗ってください。
ロコイド軟膏を塗った後に化粧水を付けると、患部以外にもロコイド軟膏が広がってしまいます。
もし化粧水とロコイド軟膏の成分が混ざり合うのに抵抗があれば、大人ニキビの部分を避けて化粧水を付けましょう。
普段使っている化粧水を皮膚科で見せ「ロコイド軟膏と一緒に使っても大丈夫ですか」と相談するとより安心です。
多量に塗らない
ロコイド軟膏をたっぷり塗ると、副作用の原因になります。
「早く薬の効果を得たい」という人がやりがちですが、逆効果なのです。
多量のロコイド軟膏を塗っても、後でベタベタしてしまうだけでメリットはありません。
特に顔の肌は薬の吸収率が高いため、塗り過ぎによる副作用を起こしやすいのです。
また、1日に何度もロコイド軟膏を塗るのもやめてください。
大人ニキビの症状にもよりますが、ロコイド軟膏は基本的に1日1～2回の使用がベストです。
長期間使用しない
ステロイド外用薬は、長い間使用していると副作用が出やすくなります。
重篤な副作用だと肌の炎症にとどまらず、緑内障や白内障といった目の疾患が現れる事もあるのです。
ロコイド軟膏を使う期間は1～2週間にとどめてください。
そのぐらい使っても大人ニキビが改善しない場合、医師に相談しましょう。
大人ニキビが治ってきた場合も「念のために」と塗り続けるのは好ましくありません。
医師と相談した上でロコイド軟膏の使用を中止してください。
塗る量を減らしながら使用をやめる
ロコイド軟膏の使用をやめる際、いきなり中止するのは良くないのです。
塗り始めて日が浅ければ急にやめても心配はないのですが、長機関使用していた場合は徐々に止めなければ副作用が出る恐れがあります。
もちろん、やめるのは大人ニキビが改善してきている事が前提です。
患部の様子を見つつ、少しずつ塗る量を減らしていってください。
ロコイド軟膏を広範囲に塗っている人は、特にやめ方に注意が必要です。
大人ニキビの治り具合を医師に報告しながら、使用中止について相談しましょう。
大人ニキビとロコイド軟膏のまとめ
ロコイド軟膏は、炎症を鎮める作用のある薬です。
大人ニキビを改善させる事は可能ですが、炎症を起こしているタイプに限られます。
ステロイド外用薬の中でもロコイド軟膏は効き目が弱い薬です。
そのため、赤ちゃんのおむつかぶれにも使用出来ますが、副作用がある事を忘れないでください。
副作用で大人ニキビの悪化を防ぐためには、正しい使い方を守りましょう。
副作用の出る確率は大変低いですが、万が一肌に違和感を覚えたらすぐに使用を中止し医師に相談してください。
