大人ニキビと抗生物質

つい不摂生が祟って出来てしまう大人ニキビ。
触らない様にしていても、衣類や髪の毛が触れて痛痒いものです。

大人ニキビの炎症を早く治したい時は、皮膚科で処方される抗生物質を使うと良いでしょう。
しかし、大人ニキビの治療と言っても、使う抗生物質はとても種類が多いものです。

そこで今回は、皮膚科で処方される抗生物質の種類や特徴をご紹介します。
自分に合った抗生物質をお医者さんと一緒に選べるようにして、大人ニキビを早く治しましょう。

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大人ニキビに効く抗生物質の気になる事

病院で大人ニキビの治療を行うと、高い確率で抗生物質を処方されるものです。
特に意識せずに使っている薬ですが、抗生物質とは一体何なのでしょうか。

下記では、抗生物質の気になる効果や、どんな大人ニキビに効くのかなどをご紹介します。

抗生物質とは?

抗生物質とは、微生物が生み出した物質の事です。
微生物は繁殖をしますが、周りの細菌や他の微生物が邪魔をするため、あまり数を増やす事が出来ません。

このため、自ら生み出した抗生物質で、周りの細菌や微生物を攻撃させるのです。
抗生物質に攻撃された細菌や微生物は、発育や機能を阻害されるため弱まり死滅します。

この効果と仕組みを生かし、抗生物質に殺菌作用などを人工的に加えたものが「抗菌薬」と言われ、病院で処方される薬になるのです。
天然由来の抗生物質は約5,000~6,000種類も存在すると言われ、近年でも研究に力を注がれている分野でもあります。

私たちやお医者さんが呼ぶ「抗生物質」は抗菌薬を総称した物であり、大人ニキビ以外にも様々な病気の治療として使われています。
どの抗生物質を使うかによって効果が違うため、症状に合った薬を処方してもらう事が大切なのです。

市販のニキビ薬とは違うの?

皮膚科に行く時間が無い時などは、市販のニキビ薬はお手軽でとても便利です。
市販のニキビ薬と抗生物質に違いはあるのでしょうか。

市販されているニキビ薬よりも、抗生物質の方が大人ニキビに対し高い効果が得られます。
特に、重症化した大人ニキビはニキビ跡になる前に完治できるため良いでしょう。

しかし、抗生物質の多くは、お医者さんの処方箋がないと買えません。
なぜなら、抗生物質は体にとって良くも悪くも働くからなのです。

抗生物質は治療の効果が高い分、体に悪影響を及ぼす副作用の危険度も上がります。
中には命の危険を脅かす可能性があるため、病院で診察を受けてからでないと処方が出来ないのです。

どんな大人ニキビも抗生物質で治せる?

大人ニキビにも種類があり、大きく分けると「炎症を起こしているかどうか」の違いがあります。
どんな大人ニキビも抗生物質で治す事が出来れば、とても嬉しい話です。

しかし、残念ながら抗生物質の効果が得られる大人ニキビは種類が限られています。
抗生物質の効果が得られるのは、炎症を起こした大人ニキビだけなのです。

炎症を起こしていない黒ニキビや白ニキビは、抗生物質で治す事が出来ません。
この場合は、日頃から洗顔・保湿などのスキンケアをしっかり行う事で治す事が可能です。

炎症を起こしていない大人ニキビに抗生物質の薬を使っても良い事は無いので気を付けましょう。

内服薬タイプの抗生物質の種類と特徴

内服薬タイプの抗生物質の種類と特徴

アクネ菌などの細菌の繁殖を防ぎ、殺菌作用を合成した抗生物質。
抗生物質には種類があり、皮膚科を受診した方の体調や大人ニキビの種類に合わせて処方する薬が変わります。

下記では、大人ニキビに効く内服薬タイプの抗生物質をご紹介します。

ビブラマイシン

ビブラマイシンは、様々な種類の菌に攻撃が出来るテトラサイクリン系の抗生物質です。
アクネ菌のエサとなるタンパク質の合成を邪魔し、菌の増殖を抑えます。

また、強い抗炎症作用があるので、赤く腫れた大人ニキビを早く治す事が可能です。
そんなビブラマイシンですが、強い抗生物質であるため、腸内の善玉菌まで殺菌してしまう可能性があります。

上記は主な副作用であり、症状としては食欲不振や嘔吐、下痢などが挙げられます。
また、長期間の服用で耐性菌がついたり、高齢者・妊婦・小児の使用は健康に害を及ぼす可能性があるため、必ずお医者さんとの相談が必要です。

ミノマイシン

ミノマイシンも、ビブラマイシンと同様にテトラサイクリン系の抗生物質です。
ビブラマイシンと同様に、抗炎症作用や抗菌作用に特徴があります。

炎症を鎮め、アクネ菌の増殖を抑えるため、大人ニキビを早く治す事が可能です。
ミノマイシンはカプセルタイプや顆粒タイプ、点滴などの種類が豊富であるという特徴があります。

内服薬が苦手の方にはとても良いでしょう。
しかし、ミノマイシンは食欲不振や下痢以外に、めまいなどの副作用が多く起こるとされたため、車の運転などに制限が掛かります。

また、ミノマイシンを服用する場合、乳製品の摂取を制限される場合があります。
これは、カルシウムと薬が結合してしまい、本来の抗生物質の効果が発揮出来なくなるためです。

その他、控えたい栄養素もあるので、気になる方はお医者さんに聞いてみましょう。

ルリッド

ルリッドはマクロライド系の抗生物質で、比較的副作用が少ない薬が多いのです。
アクネ菌のエサとなるタンパク質の合成を邪魔し、大人ニキビが悪化するのを防ぐ働きがあります。

しかし、ルリッドには抗炎症作用がないため、大人ニキビを早く治す事は難しいでしょう。
そんなルリッドは、比較的副作用が少ない抗生物質ですが、他の内服薬と併用不可の場合が多い事がデメリットです。

また、マクロライド系の抗生物質は古くから治療に使われているため、耐性菌を持った人が多い事もあり、処方される事は少なくなっています。
大人ニキビの治療で処方された時は、外用薬とセットで出される事が多いようです。

クラリスロマイシン

クラリスロマイシンもルリッドと同様、マクロライド系の抗生物質です。
こちらもアクネ菌のエサとなるタンパク質の合成を抑え、大人ニキビの悪化を防ぎます。

クラリスロマイシンも抗炎症作用がないため、外用薬とセットで処方される事が多いようです。
やはり、クラリスロマイシンも、他の内服薬と併用不可の場合が多くあります。

マクロライド系の抗生物質は気づかない内に耐性菌が付いている事が多く、他の病気にかかった時に効果が得られない可能性も指摘されています。
大人ニキビの治療としては、あまりオススメは出来ない薬でしょう。

外用薬タイプの抗生物質の種類と特徴

外用薬タイプの抗生物質の種類と特徴

「大人ニキビを抗生物質で早く治したいけれど、服用中の薬があって不安。」
そんな方は、外用薬タイプの抗生物質がオススメです。

もちろん、外用薬タイプの抗生物質も副作用や、併用を注意したい部分はあります。
しかし、内服薬と比べるとリスクは少なく、少しでも安心して大人ニキビの治療に臨めるのです。

そこで下記では、皮膚科で処方される外用薬タイプの抗生物質の種類や特徴をご紹介します。

ダラシンtゲル

ダラシンtゲルは、リンコマイシン系の抗生物質が配合された外用薬です。
リンコマイシン系の抗生物質も比較的安全で、よく皮膚疾患の薬に使われています。

ダラシンにはローションや内服薬タイプもありますが、大人ニキビの治療にはゲルタイプが良く処方されるようです。
アクネ菌の繁殖を抑え、炎症を起こした大人ニキビを早く治す効果があります。

しかし、敏感肌の方がダラシンを使用すると、ヒリヒリする・乾燥するなどの症状を感じる方がいるため注意が必要です。
また、痒みや斑点などの副作用が現れる事があり、このような症状が酷い場合は使用を中止するように記載されています。

妊娠中の方や乳幼児には安全性が確立されていないので、使用する時はお医者さんに相談をしましょう。

アクアチムクリーム

アクアチムは、ニューキノロン系の抗菌薬が配合された外用薬です。
使い勝手が良いように、クリーム・ローション・軟膏の3つのタイプから選べます。

大人ニキビの治療に使われるのはクリームタイプですが、どれも効果に差はありません。
アクアチムクリームは抗菌・殺菌作用があり、大人ニキビの炎症を鎮める効果があります。

ニューキノロン系は、抗生物質を人工的に大きく発展させた抗菌薬のため、とても使い勝手が良いのが特徴です。
様々な種類の菌に対応ができ、副作用も比較的少ないため、今後病院で処方される事が増えると言われています。

そんなアクアチムは、痒みや乾燥、刺激感などの副作用が起こる可能性があります。
また、日光に当たると赤く腫れるという副作用が稀にあるそうです。

妊娠中の方、乳幼児への使用は安全性が確立されていないため、気になる点はお医者さんに相談をしましょう。

リンデロンVG軟膏

リンデロンは、アミノグリコシド系の抗生物質を配合した外用薬です。
アミノグリコシド系の抗生物質は、非常に強い抗菌力を持つため、様々な薬に使われています。

リンデロンVG軟膏にはステロイドが配合されているのが特徴で、大人ニキビの炎症を鎮める効果が高いのです。
副作用は刺激感、赤み、皮膚の炎症などが起こる可能性があります。

しかし、ステロイドは過度に摂取すると、体内のホルモンが分泌されなるなどの重篤な副作用を起こす場合があるため要注意です。
安全性が確立されていないため、妊娠中の方の大量使用・長期使用は避けるようにと記載されています。

また、乳幼児へ大量に使用すると、発育障害が起こると報告されているので注意が必要です。

大人ニキビに抗生物質を使う際の注意点

大人ニキビに抗生物質を使う際の注意点

抗生物質は大人ニキビに強い効果がある反面、様々な副作用も起こり得るものです。
皮膚科で抗生物質を処方された時には、薬剤師の方から必ず注意事項を伝えられます。

処方された薬のしおりにも必ず記載があるのですが、いつの間にか紛失してしまうものです。
出された薬によって注意点は違いますが、下記では大抵記載されている事項をご紹介します。

抗生物質には副作用が起こる可能性がある

化粧品や市販薬など、どんな薬でも副作用は起こる可能性があります。
特に、菌を攻撃する仕組みを生かした抗生物質は、強い副作用を起こす場合があるのです。

内服薬タイプの抗生物質であれば、吐き気やむかつき、胃痛、下痢などの副作用が出る方がいます。
また、外用薬タイプの抗生物質は、皮膚の刺激感や痒み、赤みなどの副作用が出る可能性があります。

また、ごく稀に緑内障や大腸炎などの重篤な副作用が出る抗生物質もあるのです。
大人ニキビの治療も大切ですが、副作用が出た時はすぐに抗生物質の使用を中止し、お医者さんに相談をして下さい。

大人ニキビが治ったら抗生物質は使わないようにする

大人ニキビの炎症が鎮まったら、抗生物質の使用を止めましょう。
なぜなら、抗生物質の長期間使用は耐性菌を生み出してしまう可能性が高いからです。

大人ニキビの原因であるアクネ菌などの細菌は、抗生物質を使用する事で大半が死滅します。
しかし、細菌は何とか生き延びようと、抗生物質に対して耐性をつけようとするのです。

耐性がついてしまうと、今まで使っていた抗生物質が効かなくなり、治療が困難になってしまいます。
すると、次に大人ニキビが出来た時の治療方法は、さらに強い抗生物質に切り替える事になります。

強い抗生物質は色々な菌に効くのですが、その分健康維持に必要な細菌も攻撃してしまうため、だんだん体が弱まってしまうのです。
抗生物質は必ずお医者さんの指示の下、用法・用量を守って使用をしましょう。

人によっては処方出来ない抗生物質もある

大人ニキビの原因であるアクネ菌を攻撃する抗生物質。
炎症が鎮まるのでとても嬉しいのですが、体にとって害を与える事もあります。

これは、抗生物質は病原菌だけではなく、人間の細胞も攻撃をしてしまうからです。
特に、妊娠中・授乳期の方や他の病気で薬を服用している方は注意しましょう。

抗生物質の使用は、胎児の発育不全や病気の事例が報告されています。
また、他の薬と併用すると、中毒症状や病気の悪化を引き起こす可能性があるのです。

このため、上記の方は母子手帳やお薬手帳を持参した上で皮膚科を受診しましょう。
お医者さんに申告をすれば、比較的安全で適切な薬を処方してもらう事が出来ます。

外用薬タイプの抗生物質はお肌を清潔にしてから使う

外用薬タイプの抗生物質は、多くの皮膚科で処方されるものです。
費用も安く使いやすい外用薬ですが、正しい使い方をしなければ100%の効果を発揮できません。

外用薬タイプの抗生物質で注意すべき点は、清潔なお肌にしてから使う事です。
汚れたお肌は雑菌が多く、抗生物質の働きを妨げてしまいます。

大人ニキビの炎症を長引かせ、耐性菌が出来る原因に繋がってしまうのです。
化粧水などお肌に直に使う物に一貫して言える事ではありますが、洗顔や入浴後の清潔なお肌に使う様にしましょう。

定期的に出来る大人ニキビは他の治療方法を選ぶこと

「せっかく抗生物質を使って治したのに、繰り返し大人ニキビが出来てしまう」
そんな大人ニキビ肌の方は、他の治療方法を選んだ方が良いでしょう。

定期的に大人ニキビが出来る方は、ホルモンバランスに乱れが生じている可能性があります。
いくら抗生物質で治しても、ホルモンバランスの乱れによって大人ニキビが何度も出来てしまうのです。

この場合は、婦人科で処方されるピルを服用する事で大人ニキビが出来にくい体に治す事が出来ます。
服用中は妊娠が出来ないなどの問題点もありますが、婦人病が治ったり、大人ニキビが出来にくいお肌に近づけてくれます。

皮膚科の抗生物質より費用は高めになりますが、定期的に出来る大人ニキビにはとても有効でしょう。

大人ニキビと抗生物質のまとめ

大人ニキビと抗生物質のまとめ

大人ニキビの治療にも使われる抗生物質は、微生物が作った物質を上手く応用したものです。
痛痒く腫れた大人ニキビを治すのにとても有効な抗生物質ですが、用法・容量を守らなければ体に害を及ぼす可能性もあります。

しっかりお医者さんの説明を聞き、正しく使って大人ニキビを早く治しましょう。
しかし、大人ニキビは炎症を起こす前に食い止める事が1番大切です。

日頃から規則正しい生活やスキンケアを行う事が、大人ニキビを作らないコツと言えます。
どうしても出来てしまった時だけ皮膚科を受診して抗生物質で治せば、耐性菌の心配もありません。

何度も抗生物質に頼る前に、まずは出来る事から始めてみましょう。
スキンケア用品を大人ニキビ用の物に変えるだけでも、かなりの効果が期待出来ます。

始めやすい価格の商品も多いので、一度試してみると良いでしょう。

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