ニキビには赤ニキビ、白ニキビなどがありますが、中には紫ニキビというものもあります。
紫ニキビは他のニキビよりも目立ち、あざやシミと間違われる事も。
大人ニキビに悩む人なら、いつ紫のニキビが出来てもおかしくありません。
人と会って「それ、どうしたの?」なんて聞かれたら恥ずかしいものです。
今回は紫の大人ニキビについて、以下の4点に分けてご説明していきます。
- 紫の大人ニキビの特徴
- 紫の大人ニキビが出来る原因
- 紫の大人ニキビの治し方
- 紫の大人ニキビの予防法
他のニキビよりも治りにくく跡も残りやすい紫の大人ニキビ。
また、重篤で見た目も痛々しい紫の大人ニキビですが、決して治らないニキビではありません。
そして、紫の大人ニキビそのものを予防する方法もあります。
「私は紫の大人ニキビなんて出来た事ない」という人も、美容のためぜひ紫の大人ニキビの事を知っておいてください。
紫の大人ニキビの特徴
毛穴の中で膿と血液が混ざった状態が紫ニキビです。
内出血を起こしているため見た目もあざに近いのが特徴と言えます。
また、炎症が表皮の下の真皮に及んでいるのも紫の大人ニキビの特徴です。
真皮には痛み、かゆみなどの刺激を感じとる神経がありますから、炎症が真皮に達する紫ニキビが出来ると痛みを感じます。
紫の大人ニキビは何もない状態から出来るのではありません。
ニキビの色を炎症の進行順にならべると、白→黒→赤→黄→紫となります。
白ニキビや赤ニキビが徐々にひどくなり、最終的に紫ニキビとなるのです。
数ある大人ニキビの中でも最も炎症が進んだ状態ですから、治るまでに時間が掛かるのも特徴と言えます。
仮に治ったとしても色素沈着したりクレーター状、ケロイド状の跡が残る可能性もあります。
炎症が進んだ状態である紫ニキビは、毛穴だけでなくまわりの皮膚にまで炎症を広げます。
紫の大人ニキビは背中や腕と比べ顔に出来やすく、中でも口まわりやあごが要注意ゾーンでしょう。
出来るだけ跡を残さないためにも、原因や治し方を知っておく事が大切です。
紫ニキビは他のニキビとは違うの?
ニキビの最終形態にあたる紫ニキビ。
他のニキビとの違いについてご説明します。
市販薬での対処が困難
炎症がかなり進んでいる紫の大人ニキビは、他のニキビとは違って自分で治せるものではありません。
市販薬を付けても効果は得られないので皮膚科に行きましょう。
間違っても自分でつぶそうとはしないでください。
跡がずっと残ってしまいます。
しこりがあり、さわると硬い
100%ではないものの、紫の大人ニキビは中にしこりが出来る事が多いのが特徴。
そのため、紫ニキビに触れるとコリコリした硬い感触があります。
紫の大人ニキビが出来る原因
今大人ニキビが出来ているなら紫ニキビのもとが出来ている状態なので、それだけでも危険信号です。
白ニキビや赤ニキビをむやみにつぶすだけでも、紫ニキビまで悪化する恐れがあります。
一方で他にも紫の大人ニキビをまねく要因は沢山あるのです。
ここでは以下のような事が紫の大人ニキビの原因となるという事をお伝えします。
- ストレス
- 不十分な洗顔
- 顔に傷が付く
- 血行不良
- ターンオーバーの遅さ
紫の大人ニキビが出来た事がない人でも、これらの条件に当てはまればいつ紫ニキビが出来てもおかしくありません。
ストレスが紫の大人ニキビをまねく
精神的なストレスは大人ニキビの原因になり得ます。
紫の大人ニキビも例外ではありません。
ストレスがたまるとホルモンバランスが乱れます。
女性ホルモンと男性ホルモンがある事は知られていますが、男女ともに両方のホルモンがあります。
ホルモンバランスが乱れると男性ホルモンが多い状態になるのです。
そうなると皮脂の分泌が多くなり、毛穴が詰まりやすくなります。
いきなり出来る事はない紫ニキビですが、毛穴が詰まっていると白ニキビや黄ニキビが出来る原因に繋がります。
それらがいずれ紫ニキビへと変化するのです。
不十分な洗顔が原因で紫の大人ニキビが出来る
洗顔で肌の皮脂や汚れを落としていないと、紫の大人ニキビをまねく恐れがあります。
今他の大人ニキビが出来ているなら、なおさら洗顔を丁寧に行い肌を清潔に保ちましょう。
洗顔料はきめ細かい泡が出来るまで泡立ててください。
そうすれば毛穴の汚れまで落とせます。
洗顔料のすすぎ残しにも注意が必要です。
毛穴に洗顔料が残っていると大人ニキビの原因となり、それが悪化すると紫ニキビになります。
洗顔料はなるべくニキビケア専用のものを避けた方が良いと言えます。
なぜなら、ニキビケア専用のものは洗浄力が高く、必要な皮脂まで落としてしまうからです。
使うなら皮脂量の多いTゾーンだけにして、頬やあごは普通の洗顔料を使いましょう。
顔が傷付くと紫の大人ニキビの原因に
カミソリなどで顔が傷付くのも紫の大人ニキビの原因になります。
口回りやあごに発生しやすい紫の大人ニキビですが、その部分はカミソリを当てる頻度が高い部分です。
シェービングにより肌が傷付き、「赤ニキビ、黄ニキビだったものがある日紫ニキビになった」というケースもあります。
特に男性は毎日のようにひげを剃りますから、口回りとあごを傷つけやすいのです。
また、手で顔に触れるのも肌が傷付く原因になります。
日常生活で無意識に顔をさわるクセのある方は要注意です。
赤ニキビや黄ニキビを汚れた手でさわった結果、紫ニキビになる可能性もあります。
血行不良が紫の大人ニキビの原因に
紫の大人ニキビには血行不良が大きく関わっています。
血行が悪いと肌の新陳代謝が遅くなり、ニキビの膿がいつまでも毛穴の中から出ていかないという状態になります。
膿がとどまるとそのうち毛穴の中で炎症を起こし、毛細血管が破れ内出血するのです。
こうなれば完全に紫ニキビになってしまいます。
肩こりや冷え症を感じている方は、血行不良を起こしている可能性が高いのです。
ターンオーバーの遅さが紫の大人ニキビの原因に
肌には古い角質を追い出すターンオーバーという働きがあります。
ターンオーバーが正常に行われないと、いつまでも毛穴に古い角質が残ったままになるのです。
ターンオーバーは年齢を重ねるとスピードが落ちていきます。
それ以外に、肌の乾燥やビタミンCの不足もターンオーバーが遅れる原因に繋がります。
残った古い角質は、ニキビの原因菌アクネ菌のエサになります。
アクネ菌がどんどん増殖していくと、ニキビが悪化し紫の大人ニキビとなるのです。
紫の大人ニキビの治し方
大人ニキビの中でもやっかいな紫ニキビ。
重篤なニキビなだけに跡が残りやすいのはやむを得ないにせよ、適切な処置さえ行えば炎症は治まります。
ここでは紫の大人ニキビの治し方を、以下の4点に分けてお伝えします。
- 紫の大人ニキビは皮膚科で治すという事
- 塗り薬や飲み薬を使った治し方
- レーザー治療という治し方
- ホルモン療法を用いた治し方
これまであった大人ニキビが紫ニキビになっていると気付いたら、迷わずすぐに治療を始めてください。
紫の大人ニキビは皮膚科で治そう
紫ニキビにまで進行した大人ニキビは、まず自分では治せません。
必ず皮膚科で治療を受けてください。
また皮膚科の受診には、本当にニキビなのかどうかを確かめてもらうためでもあります。
つまり、紫ニキビだと思っていたものが、実は他の皮膚疾患だったという可能性もあるのです。
いずれにしても早めの治療が必要なのは変わりありません。
一方で、皮膚科以外の受診が必要なケースもあります。
それは婦人科。
紫の大人ニキビは、多膿胞性卵巣など婦人科系の病気が原因で出来る事もあるからです。
紫ニキビ以外に生理不順や不正出血が見られる場合は婦人科を受診しましょう。
塗り薬や飲み薬を用いる紫の大人ニキビの治し方
紫の大人ニキビにも、他のニキビ同様、塗り薬や飲み薬を用いる治し方が一般的です。
下記のような働きを持つ薬が処方されます。
- 炎症を抑える
- 毛穴を詰まらせる角質を取りやすくする
飲み薬は主に錠剤やカプセルなどの西洋薬が用いられますが、漢方薬と併用する治し方もあります。
ニキビが出来にくい体質を作るためです。
他にはケミカルピーリングという治療手段もあります。
肌のターンオーバーを促し古い角質を落とし、紫の大人ニキビを改善するという治し方です。
紫の大人ニキビにレーザーを当てる治し方
CO2レーザーというレーザーを用いた治し方が紫の大人ニキビに有効です。
他の大人ニキビの治療でも用いられますが、紫ニキビにも効果が期待出来ます。
治療で使うレーザーは、炭酸ガスレーザーとも呼ばれるCO2レーザー。
水分に反応するという特徴を持ちます。
照射したレーザーはその部分の細胞内の水分に反応します。
そして、熱エネルギーを作り出します。
その熱で水分が一気に蒸発する事によって皮膚が削られ、紫ニキビが除去されるのです。
短時間で紫の大人ニキビを治療出来、跡も残りにくいのがこの治し方のメリット。
加えてメスを使わない事から出血もほとんどありません。
また、類似した治療法としてPDTと呼ばれる光線力学療法があります。
こちらは厳密にはレーザーではなく光線を用いた治し方で、皮脂の分泌を抑える効果を持ちます。
ホルモン療法を用いた紫の大人ニキビの治し方
ホルモンバランスの乱れが原因の1つである紫の大人ニキビ。
具体的には男性ホルモンが優位になってしまっている状態なので、それを改善します。
ピルなどの服用により、女性ホルモンの1つエストロゲンを増やすという治し方です。
そうする事で男性ホルモン増加による過剰な皮脂分泌が抑えられます。
ただし、この治し方が有効なのは女性のみ。
男性がピルを服用しても紫の大人ニキビが改善しないどころか、体調が悪くなる恐れがあります。
紫の大人ニキビの予防法
大人ニキビが悪化した結果が紫の大人ニキビです。
そのため、大人ニキビがしょっちゅう出来るという方は、紫ニキビが出来る危険にもさらされていると言えます。
出来てからあわてて治療するより、まず紫の大人ニキビが出来ないよう予防するのをオススメします。
ここでは以下のような紫ニキビの予防法をお伝えします。
- 洗顔と保湿を行う
- 栄養バランスのいい食事を心がける
- 質の高い睡眠をとる
- 禁酒、禁煙を行う
- 適度な運動を心がける
- ストレスをためこまない
こうした生活習慣の改善で紫の大人ニキビを予防する事が可能です。
洗顔と保湿で紫の大人ニキビを予防する
大人ニキビ予防の基本となる洗顔と保湿。
紫の大人ニキビ予防においても、肌を清潔に保ち保湿する事は大切です。
肌は知らないうちに皮脂を分泌したり、ホコリで汚れたりしています。
洗顔で毛穴の中の汚れまでしっかり落としましょう。
敏感肌の方でも安心して使えるよう、洗顔料は低刺激性のものがオススメとなっています。
保湿成分が配合されているとより理想的です。
洗顔後は必ず化粧水で保湿してください。
化粧水も刺激の少ないものを使いましょう。
アルコールやサリチル酸が入っている化粧水は、紫ニキビの予防に不適切と言えます。
肌への刺激か強くニキビを出来やすくしたり、今出来ているニキビを悪化させる恐れがあるためです。
肌のターンオーバーを促すビタミンC誘導体が入った化粧水を選ぶと、より確実に紫の大人ニキビを予防出来ます。
紫の大人ニキビ予防には食物繊維やビタミンCの摂取が大事
バランスのとれた食事も、紫の大人ニキビの予防法の1つです。
脂質を抑えつつ、栄養バランスを意識した食事を摂りましょう。
特に積極的に摂取したいのが食物繊維とビタミンC。
食物繊維はお腹の働きを改善させ、大人ニキビをまねく便秘を解消します。
また、ビタミンCは血管を丈夫にする働きをもつ栄養素ですが、肌のターンオーバーの早さを正常に近付ける働きも持ちます。
古い角質を追い出していけば、紫ニキビだけでなく他の大人ニキビも予防する事が可能です。
質の高い睡眠で紫の大人ニキビを予防
睡眠時間は6~7時間が理想的とされています。
しかし、長時間眠れていれば紫ニキビを予防出来るというものでもありません。
紫の大人ニキビの予防には、睡眠の質の高さも大切です。
質の高い睡眠は以下の方法でとる事が出来ます。
・寝る2時間前からはスマホやパソコンの画面を見ない
・寝る3時間前までに食事を済ませる
・寝る前にハーブティーを飲んでリラックスする
・寝る前にコップ1杯の水を飲む
これらの方法を実践するとすぐに寝付け、朝すっきり目覚める事が出来ます。
また抵抗さえなければ、ぐっすり眠れる効果を持つサプリメントを試すのも1つの手段です。
良質な睡眠がとれればストレスがたまりづらくなり、紫の大人ニキビの予防に繋がります。
お酒とタバコを控え紫の大人ニキビを予防
飲酒と喫煙も紫の大人ニキビの原因になり得ます。
まずアルコールは糖分が変化したものなので、お酒を飲む事は糖分を大量に摂る事になります。
糖分が身体に入ると皮脂の過剰分泌につながり、紫ニキビを含む大人ニキビの原因となるのです。
また、タバコは煙が肌を刺激する他、毛細血管を収縮させ血行不良を引き起こします。
血行が悪くなると肌のターンオーバーがうまく進まなくなります。
すると、今出来ている大人ニキビが色素沈着を起こし跡になったり、果てはうまく治らずに紫ニキビとなる恐れがあります。
適度な運動を続けて紫の大人ニキビを予防する
関係がなさそうに見えるニキビと運動ですが、身体を動かす事は紫の大人ニキビの予防には欠かせません。
他の大人ニキビに関しても同様です。
身体を動かす事でストレスが発散され、内臓機能も改善します。
「隣の駅まで歩く」「公園のまわりを歩いて1周する」など軽い運動でもいいのです。
普段身体を動かしていない人は意識してトライしてみましょう。
もちろん暖かい季節は紫外線対策も忘れてはいけません。
紫外線が原因でニキビ跡が出来る可能性があるからです。
ストレスを発散し紫の大人ニキビを予防
仕事や家事のストレスをため込んでいる人は要注意。
運動、カラオケ、お友達とのおしゃべりなどを楽しみストレスを発散する機会を作りましょう。
ストレスがたまったままではホルモンバランスが乱れ、大人ニキビが発生、悪化する恐れがあります。
このように精神面の不調は大人ニキビに大きく関係しているため、紫の大人ニキビの予防にはストレス発散が重要なのです。
「ちょっと頑張り過ぎているな」と感じたら、気持ちをリフレッシュする時間を作ってください。
紫の大人ニキビのまとめ
今回は紫の大人ニキビの原因や治し方、さらには予防法についてご説明しました。
紫の大人ニキビは何もない状態から、いきなり発生するものではありません。
赤ニキビや黄ニキビなど他の大人ニキビの炎症が進行した結果、紫ニキビとなるのです。
紫の大人ニキビは市販薬で治すのはほぼ不可能と言えます。
必ず皮膚科を受診しましょう。
治りが遅く跡が残りやすい紫ニキビですが、適切なケアで治す事が可能です。
紫の大人ニキビは予防する事も出来ます。
洗顔、保湿を意識したスキンケアや生活習慣の改善により、紫の大人ニキビを予防しましょう。