香りの良いコーヒーですが、飲んだ後は口が臭くなりやすいものです。
ブラックコーヒーはもちろん、ミルク入りのコーヒー飲料でも口臭が発生する可能性があります。
眠気覚ましや気分転換に役立てられているコーヒーですが、それによる口臭で悩む人は少なくありません。
今回は、コーヒーが口臭の原因になる理由や、コーヒーによる口臭の対策の仕方について解説します。
口臭が発生しにくくなるコーヒーの飲み方もご紹介するので、コーヒーを好んで飲む人はぜひ参考にしてください。
コーヒーが口臭の原因になる理由
コーヒーが原因で口臭が発生してしまう主な理由は、コーヒーを飲んだ後に口内の状態が変化する事です。
実際、コーヒーを飲んだ後、口の中がすっぱくなるなどの不快感が現れる事があります。
こうした現象が起きた時には、口内環境に変化が生じ、口臭が発生している可能性があるのです。
しかし、コーヒーが口臭の原因になる理由は1つではありません。
コーヒーそのものによる作用で口臭が出る事もあれば、コーヒーに含まれるカフェインの働きで口臭が強くなる事もあるのです。
口臭対策について知る前に、ここではコーヒーを飲む事でどうして口臭が強くなるのかを知っておきましょう。
コーヒー豆の微粒子が舌に付く
コーヒーを飲んでいる間、目に見えないコーヒー豆の微粒子が舌に付着します。
これが口臭の原因になる事があるのです。
よって、舌のケアをすればコーヒーによる口臭の対策が出来る可能性があります。
普段から歯磨きだけでなく舌磨きをする習慣をつけていると、コーヒー以外を原因とした口臭にも対処しやすくなるのです。
歯磨きと一緒に舌のケアが出来る泡タイプの歯磨き粉もあります。
興味があれば、そういった商品もオーラルケアに取り入れてみましょう。
空腹時にコーヒーを飲むから
空腹時や喉が渇いている時にコーヒーを飲むと、口の中の細菌の活動が活発になる事があります。
これにより、口臭リスクが上がる恐れがあるのです。
また、お腹が空いているタイミングでコーヒーを大量に飲むと、コーヒーに含まれるクロロゲン酸によって胃液の分泌量が増える事があります。
すると、お腹からすっぱい臭いが上がってきて口臭が強くなるという事も考えられます。
胃液が増えているので、同時に胃のむかつきが現れる事もあるのです。
よって、コーヒーを飲むタイミングを食後にずらす事で口臭対策するのをオススメします。
利尿作用
コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があるため、コーヒーを飲んだ後トイレが近くなる事があります。
尿として身体の水分が出ていってしまうと、唾液の分泌量が低下する事があるのです。
唾液には口内の細菌が繁殖するのを抑える役割があるため、減少すると口臭などの口内トラブルを引き起こす恐れがあります。
唾液の減少により口内が乾燥状態になると細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなるのです。
カフェイン入り飲料を避けて口臭対策する場合、コーヒーだけでなく紅茶やエナジードリンクなどにも注意しましょう。
口の中が酸性になるから
コーヒーを飲んだ後口の中がすっぱくなる事があります。
これはコーヒーの酸味が口内を酸性の状態にするためです。
口臭の原因菌である嫌気性菌(けんきせいきん)は、酸性の環境を好んで活動します。
活発になった嫌気性菌はガスを放出する事があり、そのガスが口臭に繋がるのです。
ブラックコーヒーでなく、ミルクや砂糖の入ったコーヒー飲料も口臭の原因菌を活発にしてしまう恐れがあります。
乳製品には口臭の原因菌のエサとなる含硫アミノ酸が含まれているためです。
特にミルクには、唾液の分泌量を減少させる作用のある尿素やクレアチンが含まれています。
そのため、口臭対策しようとコーヒーをカフェラテにして飲んでも、口臭リスクが上がる事には変わりないのです。
歯茎の血行が悪くなるから
コーヒーのカフェインには血管を収縮させる作用があります。
これにより、歯茎の血流が悪くなり、摂取した栄養や酸素、免疫細胞などが歯茎全体に行き渡らなくなる事があるのです。
そうなると、口内の悪玉菌への抵抗力が弱まり、歯周病や虫歯の発生につながります。
こうした口内のトラブルが口臭の原因となるのです。
歯や歯茎の状態に違和感があれば、早めに歯医者さんで治療を受けましょう。
口の中の病気が口臭の原因なのであれば、それを治療する以外に対策の手段はありません。
胃の働きが弱まるから
コーヒーのカフェインには、胃液の分泌量を増やす作用もあります。
これにより胃の中が荒れると、胃の働きが弱まり消化不良を起こす可能性があるのです。
この消化不良の状態は、強い口臭をまねきます。
胃の調子が優れない人、またもともと胃が丈夫でない人は、なるべくコーヒーを避ける事で口臭対策が出来ます。
なお、胃の荒れや消化不良は空腹時にコーヒーを飲んだ後に起こりやすく、食後にコーヒーを飲んだ場合はむしろ消化を助ける効果が期待できるのです。
コーヒー以外のソフトドリンクは口臭の原因になる?
コーヒーでなくても、ソフトドリンクは全般的に口臭の原因になりやすい傾向にあります。
例えば、オレンジジュースやコーラなどに多く含まれているのが糖分。
摂取すると唾液の量を減少させる事があり、口に残ると口臭の原因菌を活性化させる恐れがあるのです。
また、エナジードリンクなどに含まれるカフェインも、神経を緊張状態にさせる事で唾液の分泌量を減らしてしまいます。
コーヒーを含むソフトドリンクを飲むのなら、口臭対策を怠らない事が大切でしょう。
コーヒーを原因とする口臭への対策
口臭の原因となるコーヒーですが、しっかりと対策をすれば口臭を気にせずに嗜める可能性があります。
ここでは、コーヒーが原因で発生する口臭への対策をご紹介します。
コーヒーを飲んだ後でも口臭対策は十分できます。
また、コーヒーやコーヒー飲料の「選び方」によっても、口臭リスクを抑えられる可能性があるのです。
口臭対策をしながらコーヒーを飲み続けたいという人は、是非こちらでご紹介する対策を参考にして、実生活に取り入れてみてくださいね。
深煎りのコーヒーは飲まない
深煎りのコーヒーは香ばしく、コーヒー独自の苦味を感じられる事で多くの人に好まれています。
しかし、深煎りのコーヒーは飲んだ際、舌に成分が残りやすいため、後で口臭が強くなる恐れがあるのです。
アメリカンローストのような浅煎りのコーヒーであれば口臭リスクもあまり高くないのですが、そういったコーヒーが好きでない人もいます。
口臭対策がしたい人で浅煎りのコーヒーに抵抗がある人には、低温焙煎のコーヒーがオススメです。
低温焙煎のコーヒーは香ばしさこそ深煎りには劣りますが、スッキリした味の中にしっかりとしたコクとうまみを感じる事が出来ます。
カフェオレを選ぶ
コーヒーにミルクを入れて飲むのが好きな人は、カフェラテでなくカフェオレを選びましょう。
カフェラテに用いられているコーヒーは、深煎りのコーヒー豆を使った濃いエスプレッソです。
そのため、飲んだ後に口臭が出やすくなる恐れがあります。
一方、カフェオレには比較的あっさりした味わいのドリップコーヒーが使われている為、口臭が比較的出にくいのです。
そのため、口臭対策をするならコーヒーショップに行った際、カフェオレを注文しましょう。
マウスウォッシュを使う
コーヒーを飲んだ後マウスウォッシュで口をすすぐと、後で発生する口臭への対策になる可能性があります。
マウスウォッシュには歯や舌に付いた食べかすを落とすだけでなく、舌に付着したバクテリアの増殖を抑える効果が期待できるからです。
また、コーヒーを日常的に飲んでいる人の歯には、ステインという着色汚れが付着しやすいもの。
このステインも口臭の原因になる場合があるため、日々の歯磨きに加えホームホワイトニングをする事をオススメします。
口内を清潔に保つ事で、より口臭が出にくくなる可能性があります。
水トリートメントを行う
水だけでのうがいでもコーヒーによる口臭の対策が出来る可能性があります。
マウスウォッシュが手元にない場合は、今からご紹介する「水トリートメント」を試してください。
まず、水を口にふくみ、口内のすみずみまで水を行き渡らせ口をよくすすぎます。
その後、上あごに舌をこすりつけ、舌の汚れを落とします。
最後に、真上を向いてガラガラうがいをすれば「水トリートメント」は完了です。
これらの流れを3セット行うのが理想ですが、時間がなければ1セットでも問題ありません。
また、うがいでなく水を飲むという方法でも、口臭を予防できる可能性もあります。
こまめに水を飲む事で口が渇きにくくなるため、口臭を抑える効果、予防する効果が期待できるのです。
野菜ジュースを選ぶ
コーヒーを飲みたくなったら、代わりに野菜ジュースを選ぶという口臭対策もあります。
野菜ジュースはコーヒーより酸性の性質が弱いので、口臭を引き起こすリスクが低いのです。
野菜ジュースにも色々な種類がありますが、緑色の野菜ジュースであれば酸味が少ない物が多いため、飲んだ後の口臭が出にくいでしょう。
また、野菜ジュースには、体内をアルカリ性の状態に近付ける効果が期待できます。
これにより、野菜ジュースを飲み続ける事で病気にかかりにくい体質になる可能性があります。
どうしてもコーヒーが飲みたければ、口臭を出にくくする効果が期待できるものを食べながらコーヒーを飲むのをオススメします。
プルーンやドライイチジク、ハトムギといった食べ物には消化促進効果や消臭効果、身体にうるおいを与える効果が期待できるのです。
そのため、コーヒーと一緒に摂るのにオススメと言えます。
コーヒーと口臭の対策のまとめ
コーヒー自体は良い香りを持ちますが、口臭の原因になりやすい事も事実です。
コーヒーを飲んだ後の口臭の原因は、コーヒー豆の微粒子やコーヒーに含まれるカフェインなど。
しかし、日常的にコーヒーを飲む人が口臭対策のためにコーヒーをやめるのは、実際簡単な事ではありません。
そこで、ブラックコーヒーを飲んでいる人はカフェオレにチェンジしたり、コーヒーを飲むタイミングを食前から食後にずらしたりといった対策を試してみてください。
他にも、口臭対策は沢山あるので、これらを覚えておけばコーヒーを飲むのをやめずに口臭を抑えたり予防したり出来る可能性があります。