膿汁と口臭

喉から発生する口臭には「臭い玉」と呼ばれる膿栓が1つの原因として挙げられます。
その他に、膿汁(のうじゅう)というものが口臭を引き起こす事もあるのです。

膿汁も膿栓と同じく、細菌の死骸や食べかすで出来たものであり、粘り気があって嫌なニオイを放つ傾向があります。
口臭が喉から出ている場合、この膿汁が発生している事があるのです。

今回は、口臭の原因になり得る膿汁について、それが出来る原因や対策法をご紹介します。

オーラルケアのランキング

口臭を引き起こす膿汁とは?

膿汁とは本来、傷口から出てくる膿を指す事が多いものです。
しかし、鼻や喉の疾患が原因で発生する液状の膿も、膿汁と呼ぶ事があります。

具体的には、膿汁は喉にある扁桃から分泌される粘液に、細菌の死骸などが混ざったものです。
例えば、蓄膿症になると、鼻の穴の奥にある副鼻腔に溜まった膿が鼻水と一緒に喉に回る事があります。

そうして回ってきたものが膿汁と呼ばれます。
膿汁は強いニオイを持つので、それが喉に溜まっていると口臭が強くなる可能性が高いのです。

膿汁があるかどうかを確かめる方法

普段鏡で喉をのぞき込んでも、口臭を招く膿汁があるかどうかを目で確かめるのは非常に難しいのです。
しかし、風邪を引くなどして扁桃腺が腫れ上がっている時は、扁桃腺のまわりに白っぽいものがこびり付いているのが見える事があります。

その白っぽいものが膿汁です。
目で見て膿汁を確認する以外に、指や綿棒で扁桃腺のふくらんでいる部分を軽くなでて、そのニオイを嗅ぐという方法もあります。

ただ、この方法は喉を傷付ける恐れがあるので、オススメ出来ません。
しかし、なでた指や綿棒から嫌なニオイがしたら、膿汁が出ている可能性が高いのです。

その他、自分で口臭をチェックできる方法も掲載していますので、参考にしてください。

膿汁が出来やすくなる疾患

口臭の原因になり得る膿汁は、喉に細菌やウイルスが付着する事で発生しやすくなります。
そのため、以下のような鼻や喉の問題を引き起こすと、膿汁が発生する可能性があります。

  • 風邪
  • 副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 逆流性食道炎
  • 喉の乾燥

膿汁に悩んでいる人に特に注意して頂きたいのは、喉の乾燥です。
喉が乾燥していると細菌やウイルスが増殖しやすくなり、膿汁も出来やすくなります。

普段水分をあまり摂らない人や、口呼吸をしがちな人は、喉が乾燥している恐れがありますので注意をしましょう。

膿汁以外の口臭の原因

膿汁以外の口臭の原因

口臭の原因としては、食べ物のニオイや内臓疾患、女性であれば妊娠や生理、更年期によるホルモンバランスの変化も挙げられます。
また、口内環境の異変も口臭に繋がる事があります。

歯周病や虫歯、舌苔、唾液の減少、口腔がんなどが見られると口臭が強くなる事があるのです。
これまでご説明してきた膿汁など喉の問題も含まれていますが、膿栓が口臭の原因になるケースもあります。

この膿栓は俗に「臭い玉」と呼ばれ、膿汁と同じく強いニオイを発する事が多い事から、口臭の原因の1つと認識されています。

膿栓が出来やすくなる原因

膿栓は白っぽい小さな粒に見えるもので、膿汁と同じく口臭の原因になる事があります。
発生する原因は膿汁と似ており、喉に入り込もうとしている異物が原因で発生しやすくなります。

細菌やウイルス、食べかすなどが喉にとどまり、それらが喉の粘液と混ざり合う事で膿栓が出来やすくなるのです。
鼻や喉の疾患や逆流性食道炎が原因で鼻水や胃液が喉に回り、そこで細菌が繁殖し膿栓が出来るというパターンが多いでしょう。

また、膿汁が固まって膿栓になる事もあります。
口の中や喉の乾燥によって発生しやすくなる点も膿汁と共通しています。

膿栓による口臭への対処法

膿栓がある事で喉から強いニオイが出る事があります。
口臭を消すために濃栓を無理やり取るなど自己流の対処法を試す人もいますが、あまり好ましい対処法ではありません。

膿栓による口臭に悩んでいる人は、こうした事に気を付けましょう。

・舌を動かすなどして口内の緊張を解く
・膿栓を自分で取り除こうとしない
・疾患が疑われる場合は耳鼻科を受診する
・気持ちリラックスさせる
・うがいをする時は喉の奥の洗浄を意識する
・話す時はハキハキ話す
・食べ物をよく噛む
・こまめに水分補給をする
・口内を清潔にしておく

膿汁についても同じ事が言えますが、口の中が乾燥している人は膿栓が出来やすい傾向にあります。
舌を動かす、精神の緊張を解くなどの手段で唾液の減少を避けましょう。

口臭を引き起こす膿汁の対策法

口臭を引き起こす膿汁の対策法

膿汁のように喉からくるタイプの口臭にも対策法はあります。
膿栓と同じく不快なニオイを放つ膿汁ですが、喉のメンテナンスを行う事で対処出来る可能性があるのです。

ここでは、簡単に行える膿汁の対策法をご紹介します。
もし自分の喉から膿汁が出ている事が分かったら、今日から膿汁を出来にくくするための対策をしましょう。

具体的には、喉を清潔かつ湿った状態にしておく事が必要です。
そうする事で雑菌やウイルスが付着しにくくなり、膿汁も出来にくくなる可能性があります。

うがいをする

水だけでのうがいでも、食べかすなど喉に付いた汚れを取り除ける可能性はあります。
しかし、うがい薬を使ってうがいをする事で、殺菌効果が期待出来ます。

オススメのうがい薬はイソジンです。
イソジンの殺菌作用により喉の炎症を予防する効果が期待出来るので、口臭の原因になる膿汁も出来にくくなる可能性があります。

なお、甲状腺に疾患がある人は、イソジンに含まれるヨウ素が悪影響を及ぼす恐れがあるため使用をオススメ出来ません。

喉を乾燥させない

唾液の分泌量が少なく口内が乾燥している人は、膿汁が出来やすい傾向にあります。
特に注意が必要なのは、口呼吸をする事が多い人です。

口呼吸は口内の乾燥の原因となるため、鼻呼吸に切り替える事をオススメします。
また、こまめに水分補給をする事でも、口内の潤いを維持出来る可能性があります。

口の中が渇いていると思ったら、喉が渇いていなくても少しずつ水分を摂り、口内の乾燥を避けましょう。
そうすれば、細菌やウイルスの付着に伴う膿汁、および口臭の発生を防ぐ効果が期待出来ます。

膿汁と口臭のまとめ

膿汁と口臭のまとめ

膿汁は食道に流れてしまう事が多いのですが、喉にとどまる事もあります。
膿汁は喉の汚れや細菌などが混ざったものであるため、不快なニオイがする事が多いのです。

よって、喉に膿汁が溜まっていると、そのニオイがそのまま口臭として出る場合があります。
膿汁の原因としては鼻や喉の疾患の他、喉の乾燥も挙げられます。

そのため、膿汁を出来にくくするには、うがいで喉を清潔に保ち、鼻呼吸や水分補給で喉を湿らせる事が重要です。

オーラルケアのランキング