口臭とナフタリン

口臭には様々なニオイがあり、何かが腐ったようなニオイやドブのようなニオイなどがあります。
中には、防虫剤の成分であるナフタリンのような臭いが出る事もあるのです。

ナフタリンのニオイはかなり刺激的なので、口からそういったニオイが出ていたら早めに改善しておきたい所でしょう。
口がナフタリン臭くなるのは、偶然ではなくきちんとした理由があります。

今回は、口臭がナフタリンのようなニオイになってしまう原因や対策法について解説します。
こうしたニオイを改善するには、オーラルケアを徹底する事が重要です。

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ナフタリンのような口臭はどんなニオイ?

ナフタリンは化学的な刺激臭を持ち、クローゼットにしまい込まれたセーターやスーツに嫌なニオイを移してしまう事があります。
ナフタリン臭い口臭は、長期間しまっていた服のニオイに似ています。

そのため、ナフタリンのような口臭と聞いてピンとこない人は、衣替えの時にクローゼットから出した服のニオイをイメージしてみましょう。
口内トラブルなどによってスカトールというニオイ物質が発生すると、それによりナフタリン臭い口臭が出る事があるのです。

ナフタリンのニオイは、長時間かいでいると気分が悪くなる恐れがあります。
場合によっては、そのような口臭が人間関係に悪影響を及ぼす恐れもあるので、ニオイに気付いたら早めに対処しましょう。

口臭がナフタリン臭くなる原因

口臭がナフタリン臭くなる原因

一般的な口臭は、ニオイの強い食べ物などが原因で発生しやすくなります。
一方で、ナフタリン臭い口臭は、歯周病などの口内トラブルや内臓疾患が原因である可能性が高いのです。

ここでは、ナフタリンのような口臭の原因になり得るものについて具体的に解説していきます。
ナフタリンのような刺激臭が出ていると、職場や学校で知らず知らずの内に周りを不快にさせてしまう恐れがあります。

そうならないために、日ごろからオーラルケアを念入りにして口内を清潔にしておきましょう。

内臓疾患にかかっている

内臓疾患を原因とする口臭には、アンモニア臭、肉や卵が腐ったようなニオイ、下水のようなニオイが多いものです。
中には、ナフタリンのようなニオイが出る事もあります。

内臓の中でも胃や腸、肝臓が不調を起こしていると口臭が強くなりやすいのです。
内臓疾患は身体的、精神的ストレスが原因で掛かる事が多いと言えます。

ストレスを受けると自律神経の働きが乱れ、それに伴い内臓機能が低下する事があります。
具体的には、消化器の働きが弱まるといった現象が起こりやすいのです。

やがて消化されず、胃に残ってしまった食べ物や腸にとどまっている老廃物が発酵し、その際に悪臭が出ます。
その嫌なニオイが血液と一緒に全身を巡ると、肺を通して吐く息と一緒に外に出るのです。

唾液の分泌量が減る

唾液は口内細菌の増殖を抑える働きを持ちます。
その唾液の分泌量が減ると、細菌はどんどん増えていく恐れがあるのです。

細菌は虫歯や歯周病の原因になるほか、口の中で嫌なニオイのするガスを出す事もあります。
そのガスのニオイが口臭となります。

ナフタリン臭のするニオイ物質を出す事もあるので、細菌の増殖は抑えておきたいところです。
特に、口呼吸が習慣になっている人は口内が乾燥するリスクが高いため、ナフタリン臭を始めとする口臭により注意が必要です。

虫歯が出来ている

虫歯がひどくなると、歯の神経が腐ってしまう事があります。
その際、患部から不快なニオイが出て、それが口臭となる場合があるのです。

また、虫歯がそれほど進行していないケースでも、歯に穴が開くとそこに食べかすや歯垢がたまりやすくなります。
それらも口臭の原因になる事があります。

虫歯は自然に治る事はないので、自己流のケアに頼らずすぐに歯医者さんに行ってください。
ナフタリンのような口臭を防ぐためだけでなく歯を守るためにも、虫歯に気付いたら早めに治療してもらいましょう。

歯周病がある

ナフタリン臭い口臭は、歯周病菌の1つであるジンジバリス菌が原因となる事があります。
歯周病菌自体が嫌なニオイのするガスを放出する傾向があるのですが、数ある歯周病菌の中でもジンジバリス菌はニオイの強いガスを出します。

そのニオイが「ナフタリン臭い」と認識されているのです。
ジンジバリス菌は歯茎だけでなく、内臓にも悪影響をおよぼす恐れがあります。

歯茎から血管に入り血液と一緒に体内を駆け巡ったジンジバリス菌は、肝臓にたどり着くと肝臓がんを発症させる事があるのです。
歯周病は日本人の約8割がかかっているという見方もあるため、他人事と考えるのは好ましくありません。

ナフタリンのような口臭や内臓疾患を避けるために、歯だけでなく歯茎のケアにも意識を向けましょう。

舌苔がある

舌には糸状乳頭という小さなブツブツがあり、そのせいで食べかすやはがれ落ちた細胞が付着しやすいのです。
それらが蓄積されると細菌が繁殖し、やがて舌苔が出来ます。

舌に舌苔が多く付着していると、ナフタリン臭い口臭が出る事があります。
舌苔自体は完全に取り除かなくてはいけないものではありません。

しかし、鏡で見て舌が白く見えるほど舌苔が付いていたら、細菌が増殖している恐れがあるので、舌磨き用のブラシなどでこすり取りましょう。

膿栓が出来ている

膿栓は喉に付着する事のある白っぽい小さな粒です。
菌のかたまりであるため、強いニオイを放つ傾向があります。

この膿栓も、ナフタリン臭い口臭の原因になる事があるのです。
鏡で喉をのぞき込むと扁桃と呼ばれる2つのふくらみが見えます。

口から悪い菌や何らかの異物が入ると、この扁桃から免疫物質が分泌され、身体に悪いものが入るのを妨げようとするのです。
その免疫物質と細菌やウイルスの死骸が混ざったものが膿栓となり、扁桃に付着すると口臭が強くなる事があります。

口臭がナフタリン臭くならないための対策

口臭がナフタリン臭くならないための対策

吐く息からナフタリンのようなニオイを感じたら、このような対策をすると改善される可能性があります。

  • 歯磨き
  • キシリトール入りのガムを噛む
  • 梅干しやレモンを食べる
  • 緑茶を飲む
  • 口臭サプリメントを飲む

キシリトールガムや梅干し、レモンは唾液の分泌量を増やす効果が期待でき、緑茶に含まれるカテキンには口内を殺菌する効果が見込めます。
そうした飲食物で対処するのも手軽かつ有効なのですが、上記の中でも特に徹底して頂きたいのは歯磨き。

ナフタリンのニオイに近い口臭は、ジンジバリス菌を始めとした歯周病菌が原因であるケースが多いためです。
歯磨きの際は、歯周病菌を殺菌する効果が見込めるグルコン酸クロールヘキシジンの含まれた歯みがき粉を使うのをオススメします。

また、歯ブラシと一緒にデンタルフロスや歯間ブラシも使うと、より多くの歯垢を落とせる可能性があります。

口臭がナフタリン臭くなる前の予防方法

ナフタリン臭い口臭を予防するには、日ごろからオーラルケアに力を入れる事が大切です。
具体的には、このような対策がオススメ出来ます。

  • 歯垢や歯石の除去
  • 唾液の分泌を促す
  • 歯医者での歯周ポケットの洗浄
  • 歯周病の治療

歯磨きは朝と晩にしっかり行い、歯垢をためこまないようにすれば、ナフタリン臭を誘発する歯周病を避けられる可能性が高いでしょう。
加えて、定期的に歯医者さんで歯周ポケットのクリーニングをしてもらうのも、口臭対策としては有効です。

そうする事で、自分で取りきれなかった歯垢や歯石が落ち、口内をより清潔な状態に保てる可能性があります。
また、乳酸菌を摂るのも口内の悪い菌の増殖を抑える効果が期待出来ます。

歯周病菌のジンジバリス菌に効果が期待出来るのは、LS1菌という乳酸菌です。
他にも、ロイテリ菌、L8020、WB21といった種類の乳酸菌が口内の悪玉菌の増殖を抑える可能性を持ちます。

口臭とナフタリンのまとめ

口臭とナフタリンのまとめ

口臭は時にナフタリンのようなニオイになる事があります。
内臓疾患や口内トラブルがナフタリン臭い口臭を引き起こす恐れがあるのですが、中でも多くみられる原因は歯周病です。

そのため、ナフタリンのようなニオイに悩んでいる人は、まずオーラルケアを見直す必要があります。
歯磨きを毎日しっかり行い、定期的に歯医者さんでクリーニングを受ければ歯周病を予防出来る可能性が高いのです。

また、万が一歯周病にかかってしまったら、早めに歯医者さんで治療を受けてください。

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