歯磨きとうがい

「歯磨き後のうがいは何回するのが正しいの?」
「うがいが少なすぎると、お口の中に汚れが残ってしまわないか不安」
「うがいの強さは?思いっきりゆすいでも大丈夫!?」

上記のように、歯磨き後のうがいの回数や強さの加減はどのくらいがベストなのか分からない、という方は多くいます。
そこでこの記事では、虫歯予防効果が高くなる歯磨きとうがいについて、まとめてみました。

今までは特に考えず口をゆすいでいたという方は、ぜひこの記事を読んで歯磨き後のうがいへの意識を変えてみてください。
今までよりも、健康なお口の環境を保てるようになるはずですよ!

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歯磨き後はフッ素を残すためにうがいを少なくする

虫歯予防という視点で考えた時に、歯磨き後のうがいの回数は、1回・もしくは不快ではない最小限に抑えて、弱めにゆすぐのがベストでしょう。
なぜなら、歯磨き粉に含まれているフッ素という成分の働きは虫歯予防に効果的で、歯磨きの後も口の中に“長く多く”残しておく事がポイントだからです。

【フッ素の主な働き】

  • 虫歯菌が出す酸の量を抑える
  • 再石灰化(初期虫歯を健康な歯へと戻す働き)を促進する
  • 歯質の強化(虫歯になりにくい歯にする)

また、基本的に歯磨き粉の研磨剤や磨いた時に出る汚れは、少量のうがいでも排出でき、お口に残っても害はないため過度なうがいは必要ありません。
それよりも、フッ素を留めるようにうがいを少なめ・軽めにした方が、歯の健康を考えるとプラスが大きいでしょう。

フッ素を活かす歯磨き粉選び!うがい少なめに合うのは?

うがいを少なめにする場合のフッ素を活かす歯磨き粉選びでは、以下の2つのポイントを意識しましょう。

発泡剤

歯磨き粉には、「磨いた後の爽快感」や「歯磨き粉の広がり」を考えて、泡立ちを良くする発泡剤が含まれている商品が多いのです。
しかし、発泡性が高い歯磨き粉は、うがいの回数も多くなってしまうため、フッ素を活かすには不向きと言えます。

発泡剤で虫歯予防を出来るわけではないので、出来るだけ低発泡or発泡剤無配合の歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
※発泡剤名称:ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ラウロイルサルコシンナトリウムなど

フッ素濃度

フッ素濃度は高い方が虫歯予防の効果が高くなるので、うがい少なめの歯磨き粉と相性が良いのです。
基本的には、950ppm以上のフッ素濃度を持つ歯磨き粉を選ぶようにしましょう。(日本で1番高いフッ素濃度の歯磨き粉は、1450ppmです)

ただし、6歳未満のお子様は安全性を考えて、フッ素濃度1000ppmを超える歯磨き粉の使用は控えるようにしてください。

歯磨き後にうがいが1回でもフッ素は危険じゃない

うがいの回数を減らす影響で、口の中にフッ素が残ってしまう事を心配する方は多くいます。
それは、過去にフッ素の使用による癌や歯くされ病などの噂が流れたのが原因だと言えるでしょう。

しかし、現在は誤ったデータによる悪評は見直され、厚生労働省でも以下のような文章が公表されています。

現在様々なフッ化物応用が世界120カ国で利用されています。半世紀以上にわたるフッ化物応用の有効性・安全性に関する研究結果に基づき専門機関であるWHO(世界保健機関)やFDI(世界歯科連盟)なども利用を推奨し、世界各国に実施を勧告しています。

一部引用:フッ化物利用(概論)/e―ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-006.html

また、歯磨き粉に含まれる濃度のフッ素が、うがいを減らした影響で口に残留しても、フッ素中毒になる危険性はありません。
年齢に合わせたフッ素濃度を守りながら、お口の健康を守るために正しくフッ素を有効活用しましょう。

歯磨きやうがい以外に意識したい虫歯予防のポイント

歯磨きやうがい以外に意識したい虫歯予防のポイント

ここまで、「うがいを少なくする事で、フッ素による虫歯予防の効果が高まる」とお伝えしてきました。
しかし、歯を守るのはフッ素の力だけでは不十分です。

歯磨き後のうがいを減らすだけではなく、以下の2つのポイントも取り入れて、あなたの歯を守るようにしましょう。

デンタルフロスを使う

1日1回デンタルフロス(歯と歯の間を磨く糸)を使って、歯ブラシでは届かない歯の間もキレイにしましょう。
虫歯予防の効果が高まります。

歯医者のメンテナンスを定期的に受ける

日々の歯磨きだけでは取り切れない汚れを歯医者で除去する事で、虫歯や歯周病になる確率が激減します。
3~6ヶ月に1回は、虫歯がなくても歯医者の定期検診に行ってクリーニングをしましょう。

歯磨きする時間がない場合はうがいで口臭予防をしよう

歯磨きする時間がない場合はうがいで口臭予防をしよう

「お昼の休憩時間が少なくて歯磨きが出来ない」
「疲れて歯磨きをしないで寝る時がある」

そういった場合は、うがいだけでもするようにしましょう。
口の中の大まかな汚れや細菌をうがいで洗い流すだけでも、口臭予防が出来ます。

また、どうしても歯磨きが出来ない場合は、うがいをする時にフッ素洗口剤を使うと虫歯予防の効果を高められるでしょう。
ただし、やはり歯磨きで歯の汚れを取らないと虫歯になる確率は高まるので、お口の健康を考えて歯磨きをする時間は、出来るだけ取るようにしてくださいね。

災害・断水で歯磨き出来ない時はうがいや拭き取り

災害や断水時に歯磨きが出来ない時は、以下のポイントを押さえるだけでもお口の不衛生な状態を改善できます。

  • 食後に水やお茶でうがいをする
  • 食後にハンカチやティッシュで歯の汚れを拭き取る

また、よく噛む事で口の中をキレイに保ってくれる唾液の量が増えるので、食事中は咀嚼回数を増やすように心がけましょう。
口の衛生状態が悪くなると細菌が増えて、全身の健康状態を悪化させます。

「大変な時だからこそ、元気に過ごせるようにお口の状態を意識する」という事を、いざという時のために、覚えておいてくださいね!

歯磨きとうがいのまとめ

歯磨きとうがいのまとめ

それでは最後に、歯磨きとうがいについて簡単におさらいしていきます。

歯磨き後のうがいとフッ素

・フッ素は虫歯予防効果がある
・フッ素効果を高めるために、歯磨き後のうがいは1回or少なめ✕弱めがベスト
・うがい少なめには、発泡性が低くフッ素濃度が高い歯磨き粉がオススメ
・半世紀以上にわたる研究で、フッ素の安全性・有効性は証明されている

歯磨きやうがい以外の虫歯予防ポイント

・デンタルフロスも1日1回は使う
・3~6ヶ月に1回は歯医者の定期検診に行ってクリーニングをする

歯磨きが出来ない時のうがい活用

・忙しい時は、うがいだけでもすると口臭予防になる
・断水や災害時は、歯磨きの代わりにうがいや拭き取りで口の衛生面を保つ

お口の健康状態を高めるためには、歯磨きだけではなく、うがいも重要です。
正しいうがいの回数や強さをマスターして、あなたの歯を守ってくださいね!

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