海水浴や温泉など、友達や恋人に身体を見せる機会は多々あります。
そんな時、ポッコリと腫れたおしりニキビがあると、見られるのが非常に恥ずかしいものです。
「ニキビは顔や背中に出来る」と言うイメージを持つ方は多いのですが、実は身体のあちこちに発生します。
おしりニキビは普段は目立ちませんが、大切なイベントの前には治したいと思う方も多い事でしょう。
そこで今回は、おしりニキビが出来る原因や治し方などをご紹介します。
痛みを伴うおしりニキビを早く治して、美尻を目指しましょう。
痛いおしりニキビの原因は?
ニキビが出来る原因は、皮脂や汚れが毛穴に詰まり、菌が繁殖するためです。
このため、皮脂が多く分泌される顔や背中は、ニキビが出来やすい傾向にあります。
しかし、おしりは皮脂の分泌が少なく、本来であればニキビが出来にくい部位です。
では、なぜおしりニキビは出来るのでしょうか。
下記では、痛いおしりニキビが出来る原因をご紹介していきます。
衣類や下着などによる擦れや蒸れ
先述した様に、本来おしりはニキビが出来にくい部位です。
しかし、おしりのお肌は常に、ニキビが出来やすい過酷な環境に晒されています。
女性は、ストッキングやタイツ、ガードルなどのインナーウェアを身に着ける方が多いと思います。
また、スキニータイプのパンツなど、身体にフィットする衣類を身にまとう事もあるでしょう。
おしりは、衣類や下着の締め付けにより、とても蒸れやすい環境下にあるのです。
さらに、衣類が擦れる事でお肌のバリア機能が低下するため、菌の繁殖にとても適した条件が揃っています。
バリア機能が低下しているお肌に分泌された皮脂や汗がこもり、菌が繁殖しておしりニキビが出来るのです。
特に、ビキニラインは下着のゴムによる圧迫や摩擦による刺激を受けるため、おしりニキビが出来やすい部位と言えます。
イスに座るなどの負荷
実は、イスに長時間座るなどの負荷も、おしりニキビが出来る原因の1つです。
人がイスに座る時、おしりはその人の体重を支える部位にあたります。
おしりは、体重とイスに圧迫され、常に刺激を受けている状態なのです。
皮膚は刺激を受け続けると、その部分の角質を硬くさせ、お肌を守ろうと働きます。
角質が厚みを持って硬くなると、汚れや老廃物が毛穴から上手く排出ができません。
その汚れや老廃物が毛穴に詰まり、菌が繁殖しておしりニキビが出来るのです。
また、おしりに負荷が掛かり過ぎると、黒ずみ・ザラつきなど、ニキビ以外の肌トラブルも発生します。
デスクワークで常にイスに座っている方ほど、おしりの肌トラブルが多くなると言えるでしょう。
シャンプー剤などのすすぎ残し
おしりは、割れ目や太ももの付け根などのくぼみが多い部位です。
シャンプー剤のすすぎ残しはもちろん、そもそも洗い残しが発生しやすい部位だと言えます。
頭皮や体をキレイに洗うためのシャンプーやボディーソープですが、すすぎ残してしまうと良い事がありません。
すすぎ残したシャンプー剤の成分や洗い残した垢が毛穴に詰まり、おしりニキビが出来るのです。
また、おしりはくぼみが多いため、入浴後のタオルドライで水分がしっかりと拭ききれません。
そのまま下着や寝間着を着用する事でおしりが蒸れ、ニキビが出来る事もあるのです。
その他、シャンプー剤などのすすぎ残しは、背中やおでこのニキビが出来る原因でもあります。
洗濯洗剤のすすぎ残し
おしりニキビは、洗濯に使う洗剤や柔軟剤の成分が原因で発生する場合もあります。
洗濯洗剤や柔軟剤には、界面活性剤という成分が使われています。
界面活性剤のおかげで洗濯物がキレイに洗えるのですが、お肌にとっては良い成分ではありません。
実は、洗濯機ですすぎ回数を多めに設定して運転した場合でも、界面活性剤などの成分が衣類に残っていると言われてるのです。
すすいでも残るこれらの化学成分が刺激となり、お肌のバリア機能を低下させてしまいます。
すると、お肌の免疫が雑菌に負けやすくなり、おしりニキビが出来るのです。
その他にも、界面活性剤がお肌に合わないと、アレルギー反応が出て皮膚が被れる事もあります。
おしりニキビが出来た方は、洗剤や柔軟剤を変えていないかを思い返してみましょう。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、ターンオーバー周期を崩し、おしりニキビが出来る原因になります。
ターンオーバー周期が崩れると、新しいお肌に生まれ変わらせる事が上手に出来ません。
すると、おしりの皮膚はいつまでもバリア機能が低く、角質が硬く厚い状態になってしまいます。
この状態が続くと、古い角質が毛穴に詰まり、おしりニキビが出来るのです。
この生活習慣の乱れは、おしりニキビはもちろん、顔や背中ニキビが出来る原因でもあります。
ターンオーバー周期が崩れるとニキビの治りも遅くなるため、積極的にケアが必要です。
代表的な生活習慣の乱れには、栄養の偏った食事や睡眠不足などが挙げられます。
「おしりも顔もニキビが出来て悩んでいる!」と言う方は、生活習慣を見直してみると良いでしょう。
実はおしりニキビじゃない?他の病気の可能性!
一般的なおしりニキビは、炎症を起こしている中心に、白い芯が存在します。
炎症を起こしているので痛みはあるものの、シコリなどはありません。
もし、その他の症状が出ている場合は、他の病気の可能性があります。
この場合は、セルフケアで治る事が殆ど無いため、病院での治療が必要になるのです。
このため、おしりに出来物が発生した時は、鏡などで「本当におしりニキビなのか」をチェックしてみましょう。
下記では、おしりニキビに似た他の病気についてご紹介をしていきます。
粉瘤(ふんりゅう)
おしりニキビに良く似た症状の1つに、粉瘤(ふんりゅう)と言うものがあります。
粉瘤とは、垢や皮脂が皮膚内部に溜まり発症する良性腫瘍の事です。
日頃のセルフケアで自然に治る事は無く、日が経つにつれて、少しずつ大きく育ってしまいます。
【粉瘤の特徴】
- 触った時にシコリがある
- シコリを触ると痛みを感じる
- シコリ中心の毛穴が酸化して黒い
この粉瘤が小さい内は、痛みや腫れなどは感じません。
しかし、この毛穴の中に雑菌が入ると、赤みや痛みを発症し、感染症を引き起こす可能性があります。
さらに、粉瘤が酷くなった場合、抗生剤を飲んだり、切開手術が必要な場合もあるのです。
毛穴が黒く酸化しているため黒ニキビだと勘違いし、そのまま放置して重症化してしまう方も多くいます。
粉瘤が大きくなるほど治療費の負担も掛かるので、早めに皮膚科を受診した方が良いでしょう。
おでき(せつ)
おしりは、身体の中で一番おでき(せつ)が出来やすい部位です。
おできは、「重症化したおしりニキビ」で、毛穴の奥にブドウ球菌という菌が繁殖する事で発症します。
ニキビの白い芯が見えず、ポッコリと膨らんでいたら、それは「おでき」かも知れません。
【おできの特徴】
- 触ってもシコリは無い
- 患部が熱をもち、激しい痛みがある
- 膿が溜まって赤く腫れている
おできは大きくなるにつれ、ブヨブヨと軟らかくなり、複数の毛穴から膿が出てきます。
衣類や下着の擦れでも簡単に潰れる事があるので、血や膿で服が汚れない様に気を付けて下さい。
おできは時間を掛ければセルフケアで治す事が出来るので、おしりの清潔を保ちましょう。
また、おできが潰れても良い様に、患部に絆創膏などを貼っておく事をオススメします。
マラセチア毛包炎
マラセチア毛包炎とは、マラセチア菌というカビが繁殖して起こる皮膚炎の1つです。
一見、小さな白ニキビの様に見えるので、ピーリング剤で改善を試みる方が多くいます。
しかし、それだけではマラセチア毛包炎は改善が出来ません。
おしりのブツブツが広った、炎症が余計に悪化したなどのトラブルに繋がる事があります。
【マラセチア毛包炎の特徴】
- 小さな赤いブツブツが沢山できた
- 痒みや痛みはほとんど無い
- 毛穴の中心に白い膿がある
ただし、マラセチア毛包炎は症状が悪化すると、痒みや痛みを伴う事があります。
また、潰すと高い確率でニキビ跡のように残るので、注意しましょう。
マラセチア毛包炎は、市販で販売されているニキビ薬では改善が出来ません。
カビにも効く薬が必要になるので、早めに皮膚科を受診した方が良いでしょう。
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、別名「サメ肌」と呼ばれています。
毛穴に粟粒ほどの大きさの発疹が沢山できる皮膚疾患の1つです。
10~20代の方に多く発症する疾患で、年齢と共に症状は落ち着き、30代以降は目立たなくなると言われています。
【毛孔性苔癬の特徴】
- 鳥肌のようなブツブツが沢山できる
- 痛みや痒みは全く無い
毛孔性苔癬は、毛包(毛根を包んでいる組織)が異常に硬くなっている状態です。
よく発症する場所としては、おしりや二の腕、太ももなどが挙げられます。
ニキビのように炎症を起こす事は無く、感染の心配もありません。
ですが、皮膚のザラつきが気になるので、美肌を目指す女性からすれば厄介な皮膚疾患と言えるでしょう。
市販薬でも、おしりニキビを治療する事は出来ます。
しかし、より高い改善効果を求めるのであれば、皮膚科や美容皮膚科を受診すると良いでしょう。
おしりニキビの治し方は?
おしりの肌への刺激を極力少なくする事が、痛いおしりニキビを早く治すカギと言えます。
その他、ニキビの改善・予防に良い栄養素や、身体とお肌を休める時間も大切です。
ここからは、自宅でも出来るおしりニキビの治し方などをご紹介します。
出来る事からチャレンジしてみて、痛いおしりニキビを早く治しましょう。
おしりを清潔に保つ
どの部位のニキビにも言える事ですが、まずはお肌の清潔を保つ事が大切です。
外出中におしりの蒸れを感じた時は、トイレで汗を拭きとる様に心がけて下さい。
ノンアルコールなど、低刺激処方のウェットティッシュを鞄に入れておくと安心でしょう。
また、入浴時にはシャンプー剤などが身体に残らない様に、しっかりとすすいで下さい。
ゴシゴシと力強い洗体は、おしりの皮膚にダメージを与え、ニキビが出来る原因に繋がります。
おしりニキビがある時は、ニキビ用の薬用ソープなどを使い、優しく手で撫でるように洗いましょう。
その他、入浴後は乾燥や刺激に敏感なおしりの肌を守るため、化粧水やボディークリームでケアを行って下さい。
乾燥したお肌には、ベビーオイルなどのミネラルオイルがオススメです。
定期的にピーリングを行う
おしりニキビの改善・予防には、定期的にピーリングを行うと良いでしょう。
ピーリングとは、酸の作用で古い角質を溶かし、取り除く方法の事です。
薬局や量販店などでは、様々な種類のピーリング剤が販売されています。
香りやピーリング剤の強さなど、自分の肌質と好みに合った物を見つけてみましょう。
ただし、おしりニキビの炎症が重症化している場合は、その部分のピーリングを避けて下さい。
「キレイなお肌になりたい!」と思うあまりピーリングを毎日行うと、良い事がありません。
週に1度くらいの使用に留めるなど、お肌を労わりながら使いましょう。
そして、ピーリング後はお肌が乾燥しない様に、化粧水やボディークリームでしっかりと保湿を行って下さい。
定期的にピーリングを行って古い角質が除去出来れば、キレイなおしりになれるでしょう。
通気性の良い衣類を身に着ける
おしりニキビの改善・予防をするには、下着や衣類の素材に注目してみましょう。
下着は、ポリエステルなど化学繊維より、コットンがオススメです。
自然素材であるコットンは、吸湿性に優れているので、おしりの蒸れを防いでくれます。
また、衣類はワイドパンツやスカートなどを選んでみましょう。
おしりニキビが出来ている時は、細身のスキニーパンツなどを無理して履くのはオススメ出来ません。
身体にフィットし過ぎる服は血流を妨げ、通気性が悪いので蒸れてしまうのです。
その他にも、ストッキングは、パンティよりもソックスタイプを選ぶなどの工夫を行ってみましょう。
おしりニキビが悪化しない様に、出来るだけ通気性の良い素材の衣類を身に着けてみて下さい。
長時間座ったら席を立つ
着席中に足を組み替えた時などの刺激で、おしりニキビが潰れてしまう事があります。
また、座ったままの姿勢は、おしりを圧迫するため血流が悪くなり、新たなニキビや冷え性の原因に繋がります。
デスクワークや移動時など、同じ姿勢で長時間過した時は、定期的に席を立ちましょう。
一般的には、45~50分座り続けたら、2~3分ほど席を立つと良いと言われています。
トイレで屈伸などの運動や軽いマッサージなどを行い、血の流れを良くしましょう。
この他、おしりへの刺激を少しでも減らすため、イスの上にクッションや座布団を敷く事もオススメです。
おしりニキビはもちろん、黒ずみやザラつきの予防も出来ます。
適度にストレスを発散する
ストレスは溜め込み過ぎると、ターンオーバー周期を乱す原因になります。
ターンオーバー周期が乱れてしまっては、新しい角質がなかなか作られないため、いつまでもニキビが治りません。
また、毛穴が詰まりやすくなるため、新たなおしりニキビが出来る可能性もあるのです。
ストレッチやマッサージ、ジョギングなどの適度な運動を心がけて、ストレスを発散させましょう。
もちろん、ショッピングや音楽など、自分なりの気分転換方法でストレス発散をする事も効果的です。
ただし、お酒でストレス発散を行う方は、飲み過ぎない様に注意しましょう。
過度な飲酒は体に負担が掛かり、かえってニキビが出来る原因になるのです。
自分に合った発散方法を見つけて、ストレスを上手に取り除きましょう。
不規則な生活習慣を見直す
不規則な生活習慣を見直すというのは、おしりや顔、背中などのニキビ改善に共通して言える事です。
栄養バランスの整った食事や質の良い睡眠を心がけて、痛いおしりニキビを早く治しましょう。
食生活では一汁三菜を中心に、栄養バランスの整った食事を心がけて下さい。
特に、ニキビの改善効果があるビタミン類を積極的に摂ると良いでしょう。
ビタミン類は、緑黄色野菜やナッツ類、レバーなどに多く含まれています。
また、質の良い睡眠はターンオーバー周期を正し、ニキビの改善に役立ちます。
就寝直前のスマホやテレビの光を避け、軽いストレッチを行ってから布団に入りましょう。
その他、アロマやお香を焚いてリラックスをする、お風呂で体を温めるなども、質の良い睡眠がとれる様になります。
仕事や家事で忙しいとは思いますが、出来る事から少しずつ始めてみましょう。
皮膚科の薬で治す
「おしりニキビを早く治したい!」「セルフケアを行っているのに、おしりニキビが治らない!」
こんな場合は、皮膚科でおしりニキビの治療を行うと良いでしょう。
病院であれば、セルフケアでおしりニキビを治すよりも、高い改善効果が得られます。
一般的な皮膚科では、ディフェリンゲルやダラシンTゲルなどのニキビ治療薬が主に使われています。
また、美容皮膚科では、ケミカルピーリングやイオン導入と言った方法で治療を行います。
これらは保険適用の有無によって費用が違うため、経済面なども視野に入れて治療方法を選択しましょう。
ただし、どれだけ皮膚科で治療を行っても、衣類や生活習慣を改善しないと、おしりニキビは再発してしまいます。
改善が出来そうな事は全て行い、おしりニキビが出来にくい環境を作りましょう。
おしりニキビのまとめ
本来、おしりはニキビが出来にくい部位です。
しかし、蒸れやすい、外部刺激を受けやすいなどの理由で、常にニキビが出来やすい環境下にあります。
おしりニキビを改善・予防をするには、通気性の良い衣類や下着を着用しましょう。
補正下着や体にフィットする衣類は極力避けるようにして下さい。
また、定期的にトイレに行き、おしり全体を拭くなどでお肌の清潔を保ちましょう。
デスクワークや車の運転など、常に座っている方は、定期的に席を立って体を動かす様に心がけましょう。
この他にも、生活習慣を見直して、おしりニキビが出来にくい肌質に変える事も大切です。
ただし、おしりニキビだと思っていたものが、実は違う皮膚疾患だったと言う事もあります。
異常な痛みや痒みを感じる様であれば、早めに皮膚科を受診して下さい。
出来る事からコツコツと続けて、ニキビの無いキレイなおしりに近づけていきましょう。