若い頃の思春期ニキビとは違い、大人ニキビは1度出来ると治りにくく、跡になりやすいものです。
また、大人ニキビは様々な原因が重なって出来てしまうため、「これだけで治る!」と言った解決策はありません。
さらに、大人ニキビには種類があります。
治すにしても、その大人ニキビの種類に合った治し方が必要になるものです。
自分に出来ている大人ニキビがどの種類かが分かれば、早く治す事ができ、キレイなお肌に近づける事が出来るでしょう。
そこで今回は、大人ニキビの種類やそのニキビに合わせた治し方のご紹介をします。
大人ニキビが出来やすい場所と原因
主に、大人ニキビが出来やすいのはフェイスラインと言われています。
ですが、大人ニキビは顔や体など色々な部分に出来てしまうものです。
下記では、大人ニキビが出来やすい場所とその原因をご紹介します。
大人ニキビが出来る原因
大人ニキビが出来る原因は、毛穴に詰まった皮脂などをエサに、アクネ菌が増殖する事で発生します。
これは、若い頃の思春期ニキビと出来るメカニズムは一緒です。
ですが、若い頃の思春期ニキビと大人ニキビは、出来る原因が違います。
大人ニキビは、生活習慣が乱れる事でお肌のターンオーバー周期が遅れたり、ホルモンバランスが乱れてしまう事が原因で出来るのです。
特に、女性は生理前や過剰なストレスなどでホルモンバランスが不安定になり、大人ニキビが出来やすくなります。
また、ターンオーバーの周期が遅れる事で新しいお肌に生まれ変わる事が出来ず、皮膚は固くなるのです。
柔軟性を失った皮膚は皮脂や汚れなどが溜まりやすくなり、毛穴詰まりを起こします。
このような様々な原因が積み重なった結果、毛穴にアクネ菌が繁殖し、大人ニキビが出来るのです。
大人ニキビが出来やすい場所
大人ニキビが出来やすい場所は、以下の通りです。
顎、頬
顎や頬に出来る大人ニキビは、生活習慣やホルモンバランスの乱れによって発生します。
また、髪の毛が触れてしまう、頬杖などの直接刺激で大人ニキビが潰れ、長引かせる原因となるのです。
おでこ、こめかみ
おでこやこめかみに出来る大人ニキビは、シャンプーや洗顔料のすすぎ残しが原因と言われています。
また、前髪で刺激され痒みが起こるため、つい掻いてしまい炎症が悪化する事があります。
鼻、眉間
いわゆるTゾーンのニキビは、乾燥や脂質の摂りすぎにより皮脂が増加した事が原因です。
また、女性であればファンデーションなどの洗い残しが毛穴を詰まらせる原因になります。
鼻や眉間は、大人ニキビの種類でも炎症を起こさないタイプが出来やすいのです。
背中
背中は、顔と同様に皮脂腺が多いため、大人ニキビが出来やすい部位です。
脂質の摂りすぎや生活習慣が乱れると皮脂が過剰分泌され、背中にも大人ニキビが出来ます。
その他、ボディーソープのすすぎ残しが大人ニキビの原因になる事もあります。
ただ、背中の大人ニキビはアクネ菌ではなく、マセラチア菌というカビの場合もあるので注意が必要です。
大人ニキビの種類と主な症状
大人ニキビが出来やすい場所は上記の通りでした。
ここからは大人ニキビの種類や症状、どんな場所に出来やすいかをご紹介します。
自分の大人ニキビの症状と照らし合わせ、どのように治せば良いのか参考にしてみて下さい。
白ニキビ
白ニキビは、大人ニキビの種類の中でも初期段階と言われています。
皮脂が溜まる事で毛穴が塞がり、皮膚が盛り上がっている状態です。
白ニキビは、こめかみやフェイスライン、小鼻と言った顔のあらゆる場所に出来ます。
まだ炎症はしていないため、痛みや痒みと言った症状はありません。
しかし、このまま白ニキビを放っておくと症状は悪化し、炎症やニキビ跡になってしまうので注意が必要です。
白ニキビが出来てしまった時は、洗顔やスキンケアなど、日頃のケアがしっかり出来ていない可能性があります。
無理に潰そうとせず、スキンケアを含めて生活習慣を見直せば、白ニキビは治す事が可能です。
ただ、どうしてもすぐに治したい!と言う場合であれば、病院の面皰出圧などで治療する事が出来ます。
黒ニキビ
白ニキビの状態が続くと、皮脂が酸化し黒ずみを起こします。
黒ニキビは、大人ニキビの種類の中で2段階目に症状が進行したものです。
黒ニキビは炎症を起こしている訳ではないのですが、人によっては多少の痒みが出る事があるでしょう。
鼻や頬に黒ニキビが出来ると、イチゴの様にブツブツに見えてしまいます。
お肌が汚く見えてしまったり、化粧でうまく隠れなかったりなど、見た目にも問題が出るでしょう。
この状態がさらに続くと炎症を起こしてしまうため、早めの対処を行った法が良いのです。
しかし、赤みを伴ったり異常に痒いなどの症状がある場合は、黒ニキビではなく粉瘤(ふんりゅう)の可能性があります。
この場合、病院でないと治療が出来ないため注意が必要です。
赤ニキビ
赤ニキビは、黒ニキビや白ニキビがアクネ菌により炎症を起こしてしまった状態です。
毛穴が詰まっているにも関わらず皮脂が過剰分泌される事が赤ニキビの原因と言われています。
毛穴に溜まった皮脂をエサとし、大量に増殖したアクネ菌が皮膚組織を刺激する事で炎症を起こしてしまうのです。
主に、フェイスラインや背中、おでこに出来る事が多いでしょう。
赤ニキビは炎症を起こしているため、痛みや痒みと言った症状が起きます。
さらに、大人ニキビの種類の中で、炎症を起こしているニキビはニキビ跡になりやすい特徴があります。
このため、安易に指で潰すような事は避けましょう。
赤ニキビのように1度炎症を起こしてしまうと、自然に回復するのを待つには時間が掛かります。
赤ニキビは、生活習慣を見直したり、スキンケアをしっかり行えば治す事が可能です。
しかし、急ぐ方は病院の外用薬などで治療をする事も出来ます。
黄ニキビ
黄ニキビは、アクネ菌で赤ニキビの炎症が悪化し、黄色ブドウ球菌が発生した事で膿が出た状態です。
この黄ニキビは突然出来るものではなく、赤ニキビを放置したり、間違った対処法を行う事が原因で出来てしまいます。
特に黄ニキビは、髪の毛の生え際や頬、あごなどに出来やすい特徴があります。
また、周りの皮膚が乾燥する事で痒みが発生し、炎症した部分にジクジクとした痛みなどの症状が出てきます。
黄ニキビは膿が溜まり、お肌の奥がダメージを受けている状態です。
間違った対処をしてしまうと、デコボコのクレーターのようなニキビ跡になる可能性が非常に高いため、病院で治療する事をオススメします。
病院の治療と一緒にスキンケアで保湿を行うなどをして、早めに対処をしましょう。
紫ニキビ
黄ニキビなどの炎症や化膿を繰り返すと、紫ニキビになります。
これは、皮膚の奥まで炎症が進むと、そこに膿や血液が溜まった状態になり、皮膚の表面にしこり状の赤黒い塊が出来る事が原因です。
本来、膿は血の巡りと共に皮膚に吸収され、治っていきます。
しかし、紫ニキビは皮膚組織が深く傷ついているため、膿や炎症がいつまでもそこに溜まってしまうのです。
紫ニキビは、化膿した黄ニキビなどとは違い、痛みや痒みはありません。
ニキビに触れた時、ゴリゴリとした感触があるのが特徴で、フェイスラインやおでこに出来る方が多いのです。
運動や入浴などで血流を良くする事で、少しずつ解消する事が出来ます。
病院では、美容皮膚科で行われるレーザー治療で改善することが可能です。
大人ニキビを治すための方法は?
大人ニキビの種類によって、現れる症状は多少の違いがあります。
しかし、種類は違えど、大人ニキビを治す方法は大抵同じなのです。
下記では、自宅で行う大人ニキビケアや、病院で行う治療の方法などをご紹介していきます。
生活習慣を見直して大人ニキビを治す
どんな種類の大人ニキビを治すのにも、生活習慣の見直しは必要です。
大人ニキビを治すために見直したい生活習慣は、以下のものが挙げられます。
ビタミン類を含んだ食事
ビタミン類は、お肌や粘膜の健康維持に必要な栄養素です。
このビタミン類は不足すると、口内炎やむくみ、関節痛と言った体の不調が現れます。
ビタミン類は柑橘系の果物やレバー、緑黄色野菜に豊富に含まれています。
良質なタンパク質を含んだ食事
タンパク質は、筋肉や新しい皮膚を作るために必要不可欠な栄養素です。
新しい皮膚が作られないと、ターンオーバーもうまく出来ないため、ぜひ意識して摂取してみましょう。
そんなタンパク質は、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品に豊富に含まれています。
特に動物性タンパク質はアミノ酸を多く含み良質なので、オススメです。
睡眠をしっかりとる
睡眠時には、体の修復をする成長ホルモンが分泌されます。
普段から寝不足が続いてしまうと、傷の修復が間に合わず、大人ニキビが長引いてしまうのです。
入浴やホットドリンクで体を温めるなどを行うと、いつもより深い睡眠をとる事が出来るでしょう。
スキンケアを見直して大人ニキビを治す
白ニキビが出来た時、しっかり洗顔をしているつもりでも、黒ニキビになった経験がある方はいると思います。
その場合は、スキンケアの方法が間違っている可能性があります。
毛穴をキレイにしたいと考えるあまり、スクラブ入りの洗顔料などを毎日使ってしまうと、大人ニキビは悪化してしまう事があるのです。
これはどんな大人ニキビの種類にも言える事ですが、洗顔は1日2回、洗顔料は泡立ちの良い物を選び、しっかりと泡立てて顔を洗いましょう。
皮脂が過剰分泌される原因の1つに、お肌の乾燥があります。
洗顔後はお肌が乾燥しないように、化粧水や乳液でしっかりと保湿を心がけましょう。
また、在宅時は髪の毛をピンなどで留めれば、外部刺激を少なくし炎症の悪化を防ぐ事が出来ます。
洗顔やスキンケア用品は、大人ニキビ用の物を使う事がオススメです。
病院などでの治療と合わせて使う事で、大人ニキビをさらに早く治す事が出来るでしょう。
病院に行って大人ニキビを治す
大人ニキビを病院で治す方法は、とても沢山の種類があります。
また、どのような種類の大人ニキビを治すかによっても治療方法は変わるものです。
下記では、大人ニキビの種類ごとに、どのような治療が有効かをご紹介します。
白ニキビ
皮膚科:面皰出圧、外用薬(ディフェリンゲル、トレチノインなど)
美容皮膚科:ケミカルピーリング
黒ニキビ
皮膚科:面皰出圧、外用薬(ディフェリンゲル、ベピオゲルなど)
美容皮膚科:ケミカルピーリング、イオン導入など
赤ニキビ
皮膚科:外用薬(ダラシンtゲルなど)、内服薬(ルリッド、ミノマイシンなど)
婦人科:ピル
美容皮膚科:アクネライト、フォトフェイシャルなど
黄ニキビ
皮膚科:ステロイド注射、外用薬(ダラシンtゲル、ベピオゲルなど)
婦人科:ピル
美容皮膚科:レーザー治療(ジェネシス)、イオン導入など
紫ニキビ
皮膚科:ステロイド注射
美容皮膚科:イソトレチノイン
一般の皮膚科であれば保険適用となり、費用は安く抑える事が出来ます。
ですが、美容皮膚科は自由診療のため、費用は高くなるでしょう。
また、レーザーやイオン導入には、費用が数万円掛かる事があります。
気になる方は、カウンセリングを受けてしっかりと説明を聞きましょう。
大人ニキビの種類とまとめ
大人ニキビは、白・黒・赤・黄・紫の5つの種類があり、対処法が分かればそれ以上の悪化を防ぐ事が出来ます。
病院で治療を行う場合、ニキビの種類や体質によって治療方法が変わるため、アレルギーの有無なども含めて先に相談をしましょう。
どんな種類の大人ニキビも、生活習慣を見直す事で悪化を防いだり、早く治す事が可能です。
睡眠不足や偏った食生活を見直し、ターンオーバー周期やホルモンバランスを整えましょう。
また、正しい洗顔やスキンケアをする事でお肌の乾燥を防ぎ、大人ニキビの予防が可能です。
また、基礎化粧品は大人ニキビ用の物を使う事で、より効果が期待できます。
試しやすい価格の物があるので、1度検討してみると良いでしょう。
痒みや痛みがあるため、つい気になってしまう大人ニキビ。
ですが、病院の治療や自宅で出来るケアを上手に組み合わせ、キレイなお肌に近づけていきましょう。