歯磨きのタイミングは食後

いつの頃からか「歯磨きのタイミングは、食後すぐよりも30分後が良い」という言説を、様々なメディアや書籍で見かける事が増えました。
とはいえ、「本当にその説に科学的根拠はあるのか」「なぜ時間をあける必要があるのか」といった事を裏付ける情報を知らない方は非常に多いのです。

そこでこの記事では、信用できる情報源を元に、歯磨きのタイミングは食後すぐするのが正しいのかについて調べてみました。
虫歯予防効果が高まる正しい磨き方についてもご紹介しているので、ぜひ合わせて読み進めてみてください。

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歯磨きのタイミングは食後すぐ?30分後?

歯磨きのタイミングが「食後すぐか」「30分後なのか」については、普通に食事をしている成人・小児に関しては、すぐに磨いても問題がないと言えます。
それを科学的に検証し議論した上で公表している公的データは、以下のとおりです。

「食後30分間、ブラッシングを避ける」は正確性に欠ける表現であり、「酸性飲食物摂取直後のブラッシングは避ける」、すなわち、酸性飲食物の摂取によって生ずる酸蝕症に限定して適応される
食後30分間、ブラッシングを避ける事の是非/日本口腔衛生学会 フッ化物応用委員会(2013年8月)より一部引用
http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/file/meet/meet62_meeting4.pdf

これは、酸蝕症(さんしょくしょう)の場合にのみ、食後のタイミングですぐに歯磨きするのは避けた方が良いという事を意味しています。
酸蝕症は、歯を溶かす酸性の飲食物である酢・クエン酸・ワイン・ジュースなどの慢性的な過剰摂取や嘔吐障害がある成人の方に見られる疾患です。

そのため、普通の食生活をしている成人の方や小児は、食後すぐに歯を磨いても問題はないと言えます。

磨くタイミングよりも磨き方が大切

歯磨きは、基本的に食後すぐに磨くかといった「タイミング」よりも「正しい磨き方」をしているかが重要と言えます。
なぜなら、虫歯の原因はプラーク(虫歯の原因になる細菌の塊)によるもので、それを取り除くためには、磨き残しや磨き忘れを最小限に留める事が大切だからです。

歯磨きのタイミングに囚われるあまり、食後の歯磨きを忘れたり、時間が足りなくて歯磨きを短時間で終わらせたりしないように注意をしましょう。
正しい磨き方のポイントは、以下を参考にしてくださいね!

【歯を磨く時のポイント】

・歯を1本1本を磨くために、歯ブラシを小刻みに動かす
・強くゴシゴシ磨くと歯の表面を傷つけてしまうので、優しく磨く
・前歯部は縦に、奥歯は斜めに、ブラシの角度を変えて磨く
・プラークが溜まりやすい箇所※は意識をして丁寧に磨く

※プラークが溜まりやすい箇所…歯と歯茎の境目、噛み合わせの溝、奥の歯の裏側、歯と歯の間など

自宅ではフッ素とデンタルフロスを取り入れよう

食後の歯磨きのタイミングで利用したいのは、歯ブラシだけではありません。
「フッ素」と「デンタルフロス」を取り入れる事で、あなたの自宅での虫歯予防効果を大幅に高められるのです。

2つのアイテムの詳細は以下の通り。
ぜひ、日々の歯磨きに取り入れてみてくださいね!

フッ素

高い虫歯予防効果が認められている成分。
フッ素濃度が950ppm以上(6歳未満の場合は、1000ppm以下)配合されている歯磨き粉を選びましょう。

就寝前のタイミングで、歯磨き後にフッ素ジェルを上塗りするもオススメですよ。

デンタルフロス(糸ようじ)

歯と歯の間に溜まったプラークを除去するための道具。
毎食後使うのが理想的ですが、忙しい方は就寝前のタイミングを狙って、1日1回デンタルフロスを使いましょう。

歯の隙間が広く開いてしまっている方は、デンタルフロスよりも歯間ブラシで磨くのがオススメです。

歯医者の検診に行けば虫歯予防効果が大幅UP

食後のタイミングで歯磨きをするのは、虫歯予防として当然です。
しかし、そこで忘れてはいけないのが「歯医者の定期検診」。

以下のように、日々のセルフケアだけでは対処できない問題を、歯の専門家が解消してくれます。

【歯医者の定期検診で得られるメリット】

  • 虫歯や歯周病を早期発見して重症化するのを防ぐ
  • 日々の歯磨きでは取り切れない汚れを専門器具で除去する
  • あなたに合った歯磨きの方法や道具を教えてくれる

歯は、年齢を重ねても使い続けなければなりません。
車検と同じように、大きな問題が起こる前に定期的な検診を受けて整備をしながら、大切に使い続けていきましょう。

歯磨きのタイミングは毎食後!夜寝る前が1番重要

歯磨きのタイミングは毎食後で夜寝る前が1番重要

歯磨きのタイミングは、毎食後が理想です。
しかし、仕事や育児などで忙しいと歯を磨く時間が取れない場合もありますよね。

そういった時には、夜寝る前(夕食後)のタイミングを逃さずに、重点的に歯磨きをするようにしましょう。
なぜなら、寝ている時間は歯を守ってくれる唾液の量が減り、虫歯や歯周病の原因になる細菌の動きが活発になるからです。

細菌のエサになる食べかすや歯垢は、就寝前の丁寧な歯磨きで取り除けます。
先程ご紹介した「フッ素」や「デンタルフロス」も、夜寝る前のタイミングに併用すれば、より虫歯予防効果が高まるのでオススメですよ。

朝の歯磨きのタイミングは朝食後と朝食前どっち?

朝の歯磨きのタイミングは、朝食前と朝食後の両方が理想的。
なぜなら、朝食前は「就寝中に出来た細菌の塊(プラーク)を取る」、朝食後は「食べカスを除去する」といったそれぞれの役割があるからです。

とは言え、朝の準備で忙しい時間帯に、そんなに歯磨きをする時間はない!という方もいますよね。
そういった場合は、せめて朝食前は「よくうがいをする」、朝食後は「歯磨きをする」というルーティンで、お口の衛生状態を高める工夫をしてみてください。

お口がキレイな状態で1日をスタート出来れば、口臭も軽減できて気持ちよく過ごせるでしょう。

歯を磨く時間はどのくらいが理想的?

歯を磨く時間は、1本あたり30秒(表10秒、裏10秒、咬合面10秒)が理想的です。
すべて歯が生え揃っている(歯が28本程度)場合は、全体で15分磨く計算になります。

とは言っても、食後のタイミングで毎回歯磨きに15分掛けるのは難しいですよね。
そういった場合は、やはり就寝前の歯磨きだけでも15分間磨ける時間を作るのがオススメです。

毎食後はしっかり磨く時間が取れなくても、寝る前に歯を隅々までキレイにする習慣を作れば、虫歯予防がかなり高まります。

食後に歯磨きのタイミングが取れない時の対処法

食後に歯磨きのタイミングが取れない時の対処法

食後に歯磨きのタイミングが取れない時の対処法としてオススメなのは、以下の2つです。

うがいをする

忙しい時は、歯磨きの代わりにうがいをしっかりめにしましょう。
グチュグチュと音がなるくらい念入りにうがいをすれば、大まかな食べカスを洗い流せます。

食後に飲み物を飲む

うがいをする余裕もない時は、食後にお水やお茶を飲みましょう。(ジュースなどの糖分が入った飲み物はNG)
歯の表面についた食べカスなど飲み込む事で、少しだけですが虫歯のリスクを下げられます。

ただし、どちらの方法も簡易的に口の中をキレイにしているだけなので、夕食後のタイミングで歯磨きを念入りにするのを忘れないようにしてくださいね!

食後の歯磨きのタイミングのまとめ

食後の歯磨きのタイミングのまとめ

それでは最後に、食後の歯磨きのタイミングについて簡単におさらいしていきます。

食後の歯磨きのタイミングについて

・普通の食事をしている方や小児の場合は、食後すぐに磨いても問題はない
・酸蝕症の方に限り、食後すぐの歯磨きは避けた方が良い

食後の磨くタイミングよりも虫歯予防に大切な事

・正しい磨き方のポイントを押さえて磨く
・フッ素やデンタルフロスも併用する
・定期的に歯科健診に行くのを忘れない

時間帯別の歯の理想的な磨き方

・夕食後は15分かけて念入りに歯磨きをする時間を作ろう
・朝は朝食前と後に磨くのが理想→時間がない時は朝食前にうがいをしよう

食後に歯磨きのタイミングが取れない時

・うがい、もしくは水やお茶を飲むなどの方法で、大まかな食べカスを取る
・磨く時間を取れなかった時は、夕食後の歯磨きをいつもより念入りにする

歯磨きを食後すぐしても良いかどうかには、個人差があります。
噂だけに振り回されず、あなたにとって本当の意味で虫歯予防出来る方法を実践してくださいね!

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